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共働き、「年収103万円の壁」だけじゃない?パート収入の壁に立ち向かうには?

文=大竹のり子/CFP、株式会社エフピーウーマン代表取締役
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配偶者控除は廃止の動きも

 
 社会保険料の負担で年間25万円の支出が増えるなら、130万円、いずれは106万円の壁を超えないように働きたいと思うだろう。妻も社会保険料を納めることになれば、短期的には出費増になるが、老後に夫婦で受け取れる年金額は増える。ただ、夫が会社員で妻の月収が10万円以下の場合など、将来増える年金額より納める保険料のほうが多くなるケースもあるので、妻の収入を増やす努力も必要になるだろう。

 収入を増やして保険料を納めておいたほうがトクになるのか、収入を抑えて節税と社会保険料免除の恩恵を受けたほうがトクなのかは、夫の働き方(会社員か自営業かなど)、収入、夫婦の年齢などによって変わってくる。妻が社会保険料を納めていった場合、将来受け取る年金がどれだけ増えるのかを試算してみて、よりメリットが大きいほうを選びたい。

 さらに、現在、国は配偶者控除の見直しに向けて議論をしている。安倍晋三政権は、「女性がもっと働ける世の中にし、女性が輝く未来をつくる」という目標を掲げ、女性活躍推進施策を打ち出しているが、その中で配偶者控除の制度が女性の働く意欲を阻害しているのではないかという考えが出ているのだ。しかし、いまだ待機児童も多く、男女の賃金格差も大きいなどの現状があり、女性が安心して働く環境が十分に整っていないうちに配偶者控除を廃止するのは早計だとして、反対の声も多く上がっている。

 103万円の壁については、今後の政府の動向を注視しつつ、新たな106万円の壁を意識しながら、夫婦で働き方についてよく話し合っておきたい。
(文=大竹のり子/CFP、株式会社エフピーウーマン代表取締役)

●大竹のり子 株式会社エフピーウーマン代表取締役、ファイナンシャルプランナー(CFP)
 出版社の編集者を経て2005年4月に、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。現在、雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演など多くのメディアを通じて、女性が正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など、お金の分野での著書は40冊以上に及ぶ。一般社団法人金融学習協会理事。お金との正しい付き合い方が学べる無料マネーセミナー受付中!

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