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ビーマップ、光ファイバーケーブル不要の高速大容量無線LANを実現

文=横山渉/ジャーナリスト
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ビーマップ「MetroLinq Terragraph」シリーズ
ビーマップ「MetroLinq Terragraph」シリーズ

 1月15日、南太平洋の島国トンガ沖の海底火山で大規模噴火が起きた。それに伴い、16日深夜から昼前まで、日本の沿岸部にも津波警報と注意報が発令され、実際に津波を観測した。東日本大震災のときに津波で多くの被災者を出しているだけに、大変な恐怖を感じた人も多かったに違いない。

 津波が甚大な被害をもたらすのは沿岸部だけではない。東日本大震災のとき、津波は川を遡り、河口から遠く離れた内陸部でも猛威を振るった。陸地よりも速い速度で進み、堤防を乗り越えていく“河川津波”は、南海トラフ巨大地震でも、大阪や愛知、高知など広い範囲で被害をもたらすと想定されている。

 河川の水位計測は各地で行われているものの、自然災害大国・日本にとって、河川の監視強化は急務だ。

防犯・防災の監視カメラも4K・8Kの高精細時代に

 現在、家庭や街頭で一般的に普及している監視カメラは100万〜400万画素のものだ。100万画素だと人の動き程度なら確認できるが、ピンポイントで拡大して見る場合や顔を識別するには十分ではない。400~500万画素になると、屋外用カメラで車のナンバーをしっかり識別することができ、工場等で製品・商品に欠損がないか監視・記録したい場合にも対応できる。

 地震や津波のような自然災害はいつ襲ってくるかわからない。夜間の赤外線の映像をできるだけ鮮明に映すには、4K・8Kの画素数が必要だ。4Kは200万画素のフルハイビジョンカメラに比べ、約4倍の画素数で撮影が可能なため拡大してもクリアに確認することができる。

 そもそも、河川のほとんどは十分な街灯もなく、暗いところが多い。そういうところでは4K・8Kの監視カメラが必要になってくる。監視カメラは大きく分けて、同軸ケーブルを使用する「アナログカメラ(同軸カメラ)」とLANケーブルを使用する「ネットワークカメラ」がある。基本的にネットワークカメラのほうが画素数は高く、高画質の映像が得られる。4K(約800万画素)から最大8K(約1600万画素)にも対応している。

 監視カメラが高性能になればなるほど大容量で高速の通信システムが必要になる。従来、屋外に高画質監視カメラを設置しようとすると、光ファイバーケーブルを埋め込む工事が必要だった。しかし、光ファイバーケーブルの埋設工事は大きなコストがかかり、時間もかかる。河川の沿岸に何十km、あるいは100km以上にわたってケーブルを埋設するのは現実的ではない。

Meta Platformsが開発した無線の新技術

 新しい通信技術を監視カメラに活用しようという動きが注目されている。その通信技術とは、米Meta Platforms(旧Facebook)が開発した「Terragraph(テラグラフ)」である。Terragraphは有線で光ファイバーを引くのと同等の高速大容量ブロードバンドを無線で実現した技術だ。

 有線が使いづらい河川沿岸に無線の「Terragraph+高画質カメラ」を使えば、低コストで河川の監視システムが構築できる。また、河川のみならず、これからの業務用の防犯・防災システムとして主流になっていくと期待されている。

 ところで、無線技術といえば、近年もっとも話題なのは、スマホでおなじみの「5G」だろう。5Gを限定された区域だけで使えるようにした自営ネットワークを「ローカル5G」と呼ぶが、Terragraphも考え方としては同じだ。

 アメリカで5Gを展開するうえで障害になっていた要素のひとつが、基地局間で中継回線となる光ファイバーケーブルのインフラ不足だった。2016年に発表されたTerragraphは、基地局同士を無線で連携させることで光ファイバーへの依存を減らそうとした。

 要するに、高速インターネット回線をマンションに引く際に、建物に光ファイバーを引くのではなく、建物の屋上にTerragraphのデバイスを設置する。屋上のデバイスが近隣にあるデバイスとつながり、建物全体にワイヤレス通信が提供される仕組みだ。

Terragraphを使った高画質監視カメラは低コスト&短工期

 国内でいち早くTerragraphに準拠した60GHz帯高速大容量無線LANシステムを提供したのが、Wi-Fiネットワークインフラ構築のSI事業者、ビーマップだ。同社の執行役員常務CTOでワイヤレス・イノベーション事業部の須田浩史事業部長は、ローカル5GよりもTerragraphのほうが低コストで優位性が高いと話す。

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ビーマップ執行役員常務CTO、ワイヤレス・イノベーション事業部の須田浩史事業部長

「無線技術では、2019年にほぼ同時に『Wi-Fi6』と『5G』という新規格が登場し話題になりました。2019年12月には電波法関連法令の制度改正により『ローカル5G』が利用可能となり、大手ITベンダーや大手キャリアの参入が相次いでいます。しかし、ローカル5Gは初期費用のコストがかかり、電波利用料の支払いが発生します。周波数免許も必要です。導入から運用におけるさまざまな課題をクリアしなくてはなりません。

 また、ローカル5Gはまだ運用しているところが少なく、具体的な運用コストが見えないのも現実です。電波利用料は通信モジュールの数が増えれば加算されていき、月額数百万円ということにもなりかねません。Terragraphに準拠した当社の『MetroLinq Terragraph』(MTLGシリーズ)は、初期投資がローカル5Gと比較すると10分の1以下という低コスト、電波利用料はゼロ、周波数免許も必要ありません」(須田氏)

 なお、同社のMTLGシリーズは、一般的にオフィスや家庭で使われているWi-Fi(2.4GHzや5GHz帯)の新規格として話題となった「Wi-Fi6」の10倍以上を実現する無線技術を採用しているという。現在はWi-Fi6と同程度だが、今後さらなる通信速度の向上も期待できる。Wi-Fiというと電波干渉が気になる人もいるだろうが、60GHzという超高周波帯は安定したネットワーク環境が整うそうだ。

柏の葉スマートシティでTerragraph+IoTの実証実験

 Terragraphは高速大容量のブロードバンド環境を無線で実現できるため、IoT機器の接続に導入を考える企業が増えている。

 公民学連携で街づくりを推進している「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)では昨年6月、自立移動ロボット、マイクロモビリティ、ドローンなどの開発をサポートする「KOIL MOBILITY FIELD」をオープンした。ビーマップはそこにTerragraphの実験場を開設、監視カメラ以外でもあらゆるIoT機器を接続してテスト通信を行っている。

 同社は今後、Terragraph以外にもSD-WANを使ったサービスや製品を拡充していくとしている。SD-WANはSoftware-Defined Wide Area Networkの略で、「ソフトウェアによって定義された広域ネットワーク」を意味する。

「例えば、コロナ禍でテレワークが広がっていますが、自宅から会社のネットワークにつなぐとき、インターネットをそのまま経由すると危険です。ネット上にセキュアなトンネルみたいなネットワークを作って、そこを経由すれば安心してテレワークができます。それは、会社側のデバイスと自宅側のデバイスがクラウドでつながっていて、両方のデバイスが認証・暗号化されてつながる仕組みです。これはSD-WANを使ったサービスのひとつです」(須田氏)

 同社の取り組みは、インターネットを使わないということではなく、いわば仮想的な専用線を構築するという話だが、その技術もクラウドの利用拡大によるものだ。SD-WANはビーマップ独自の技術ではないが、他社よりも簡便に提供できる優位性がある。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

製品情報
https://www.air-compass.com/jp/ignitenet/mltg/mltg-360.html

※本記事はPR記事です

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