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2023.05.06 01:15
2012.09.09 18:00
スポーツライター小宮良之の「フットボールビジネス・インサイドリポート」第8回
「おだてるとスパイクをくれる」韓国人サッカー選手の海外での悪評
パク・チュヨンの年俸は80万ユーロ。実績のある選手としては高すぎるサラリーではない。だが、失業率24%の国の地元ファンは「何でこんなに金を支払うんだ」と不満の声を上げている。期限付き移籍で移籍金ゼロ。むしろリーズナブルなのだが、韓国人フットボーラーを根っから認めていないスペイン人にとっては不服なのだろう。モナコを2部に降格させ、アーセナルでは1シーズンで、リーグ戦1試合出場という経歴も気になるのだ。
もっとも、セルタは財政的に苦しく、完全移籍で有力な選手を獲得できない。
能力の高い選手を獲得するには、少なくとも100万ユーロ以上の移籍金が必要で、それに見合ったサラリーが必要になることを想定すると、財布を手に取ることすらできないのが現状だ。しかも、完全移籍だと複数年契約を結ぶだけに、もしその選手が戦力にならない場合、破滅的な財政損耗を余儀なくされる(レンタルで加入の選手ならば、1年間で結果が出ないときには突き返せばいい)。
つまり、セルタは経済的な事情でパクを獲得したわけだ。
韓国人に向けたユニフォームなどのグッズ商売で、かなりの利益を上げることはできるだろう。たとえパクが戦力にならないとしても、80万ユーロというサラリーの大部分を補填できる目算が立っているとも言われる。しかし、それはパクにとって極めて不都合な移籍の顛末でしかなく……。
「韓国人らしく、最後まで降参しないスピリットで戦う。セルタでプレーすることは自分にとってチャンス。言葉はブラジルに1年間いたので、ポルトガル語は少しは分かるよ。15ゴール以上が目標だ」
しかるべきビジネスモデルでスペインに降り立ったパク・チュヨンは、少々大風呂敷を広げた。韓国人選手として、あるいは東アジア代表選手として、リーガエスパニョーラで足跡を残すことができるか。
(文=小宮良之)
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