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飲んべえ岡ちゃんの相場師養成講座 第0回

株で勝ちたければ今〜GW、年末年始を狙え!

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「写真素材 足成」より

株式専門紙記者を皮切りに、証券人生30年の経済ライター・岡本昌巳。ブログ「今日の岡本」はほぼアルコールネタで埋め尽くされているが、独自理論に基づく株式相場の流れを重視した銘柄発掘力は群を抜くと評判。そんな岡本氏が、相場師が知っておくべき"常識"を指南する。

 歴史は繰り返す。そして相場も繰り返す?

 株価の値動きには、毎年一定の季節性が見られます。

 毎年秋に波乱が起き、11月頃に底入れ、その後ゴールデンウイーン頃まで強く、夏にかけてひとつ、ふたつ、小さな山を付け、また秋に波乱......というパターンになる傾向があります。2010年、11年もそうでした。

 ただ、世界的な金融危機が深刻化した場合は、1~3月に再度波乱が起き、春に底入れ、その後年央高を経て、また秋に波乱...というパターンになりやすく、08年、09年がそうでしたね。今年はギリシャ問題はじめユーロ危機が払拭されなければ、このパターンになる可能性が高いかもしれないと思っていましたが、ユーロ圏も危機克服に向けて重い腰を上げ、このパターンではなく、10年、11年のパターンになったようです。2月14日に表明した日銀のバレンタインデープレゼント=インフレターゲット設定(?)を含む追加金融政策も株価の下支えに効いていますね。

 ただ、今年は例年のようにゴールデンウイーク後に調整とはならず、1カ月早く4月に調整が訪れました。

 毎年秋に波乱になりやすいのは、ヘッジファンドなど世界のマネーを動かしている勢力が、年末に向けて決算を迎えるため、どうしても売りが出やすいという季節的な要因があるためですが、「秋は怖い」という歴史的トラウマも関係している模様です。

 戦前の世界大恐慌も1929年秋から始まりましたし、87年のブラックマンデー、01年の世界同時多発テロ、07年の欧米銀行のサブプライムローンによる損失表面化、そして08年のリーマンショックも、なんとすべて秋に起きました。「秋は怖い」という心理的な要因も、尾を引いているのでしょう。

 もうひとつ、秋が波乱になりやすい要因があります。それは3月期決算企業の第2四半期(4~9月)の決算発表時期に当たっていることです。株式投資家は、決算発表時期は本当にやりづらいというのが実感でしょう。決算発表前に好決算期待銘柄の先回り買いが入り、実際に好決算が出たら、好材料出尽くしから売られてしまい、全体の相場が調整するケースが多いからです。仮に全体相場が調整されていなくても、好決算が出た場合、好感して上げる銘柄もあるし、逆に出尽くし感から売られる銘柄もあるし、反応が読みづらく、リズムが崩れることが多い。

 ですから、僕は秋に限らず、3カ月ごとに訪れる決算発表シーズンはあまり強気に取引せずに、じっくり研究する時間帯にすべきと割り切って考えています。

 3月期決算企業の四半期ごとの決算発表時期は1月下旬~2月中旬、4月下旬~5月中旬、7月下旬~8月中旬、10月下旬~11月中旬です(12月期決算企業も同様)。ただ、この決算発表シーズンを過ぎると、やりやすくなります。決算発表シーズンに相場が調整されていることが多く、再スタートを切りやすいというリズムもありますし。

 僕自身、個人投資家向けにセミナーを開くことも仕事のひとつですが、その場合は、決算発表シーズンが終わった頃に開催するようにしています。昨年は11月26日に行いましたが、その後、相場は反転しましたから、いいタイミングでした。今年は2月18日に開きましたが、これもいいタイミングになりました。

 僕自身が銘柄推奨する時期で最も自信があるのは、年末年始相場と、2月中旬~ゴールデンウイークまでの相場です。年末年始は秋の波乱を越え、売るものも売って需給がよくなっているからです。2月中旬~ゴールデンウイークまでは、まず、3月期末までは、3月期末配当(ただし、今年は3月27日が配当取り権利付き最終日で、すでに通過しています)を狙えますし、なおかつ、上方修正の可能性が高い銘柄を狙っていれば、それほど失敗はありません。期末配当を狙ってもいいし、上方修正で株価が値上がりしたら、配当取りはやめて、値上がり益を狙ってもいい。うまく行けば、配当と値上がり益の両方を取れるかもしれません。つまり広い戦い方ができる季節だからやりやすい。4月は上方修正の可能性が高い銘柄の押し目を狙う作戦です。

 次にやりやすいのは、ゴールデンウイーク後の決算発表が一巡したあと。このときは決算予想数字がいいものから銘柄を絞り込みます。さらに第1四半期(4~6月期)の決算発表が終わった8月のお盆のあともやりやすい。このときは通期利益予想に比べ、業績進ちょく率の高いものを選んで取り上げます。

 でも、例年、そのあとが大きな波乱になることが多いんですよ。そう...先ほど書いた秋の波乱です...。

 ただ、今年はひょっとしたら、多少の波乱はあるかもしれないけど、大きな波乱が起きるパターンにならないかもしれないと内心期待しているところがあります。

 それはなぜか?

 00年以降、秋に大きな波乱がなかったのは、03年と05年。03年はITバブル崩壊以降、基調的に約3年も下げてきたことに対するリバウンドという面もありますが、当時の小泉政権の経済政策が、淘汰から再生に転換したことが大きかった。そして05年は小泉政権が郵政選挙で大勝し、構造改革期待が大きく盛り上がったことが要因です。

 今年はこのパターンになる可能性があります。03年と同じように、さまざまな方面で政策転換が見えてきたからです。金融面では、日銀はインフレターゲット設定という政策転換を見せました。政治面では、総選挙があるかどうか今の時点ではわかりませんが、「維新の会」の台頭など、05年のように日本の政治が大きく変わる可能性もありますし、ユーロ圏も財政統合に向けた変革の道筋が見えつつあります。企業面では、電力料金値上げなどの悪材料もありますが、復興需要がようやく本格化、内需関連は堅調に推移すると見られますし、輸出産業の業績も回復する見通しで、珍しく内需、輸出がかみ合う年になりそうです。またリズム的にも、今年は03年と同じように例年より早めの4月に調整に入りました。5月まで調整が長引く可能性もあり、となると5月に安値を付けた05年と似たパターンになるかもしれません。

 バブル崩壊後も数年ごとに新しいバブルはできています(その後は破裂していますが)。まだ全体の調整は続くでしょうが、これらの流れから見ると、この調整をうまく乗り越えれば、バブリー相場だった03年、05年に似た感触が出てくるかもしれません。

 しかし、相場に対してはあまり期待しては負けかねないので、心の中で密かに期待しておくだけにとどめておきますが、証券人生約30年の経験から、今年は新しいバブルができるとまではいいませんが、何か明るい年になりそうな気配を感じています。
(文=岡本昌巳/経済ライター)