「はなまるうどん」のサービス。
若年層の利用率は9割!
2008年、朝日大学マーケティング研究所が首都圏在住の15~39歳未婚男女を対象に実施した、「若年層のクーポン・割引券利用に関するマーケティングデータ」によれば、紙のクーポン・割引券利用者は約9割にも達した。これらをよく利用する場所として挙げられたのは、
1位:ファーストフード店(77.6%)
2位:ファミレスなどの外食チェーン店(43.5%)
3位:その他飲食店(33.1%)
であった。実際にクーポンを配布している業態を見てみると、レストラン・居酒屋・ファーストフードなどの飲食店から、マッサージ・美容院などのサービス業、スーパー・コンビニなどの小売業まで、幅広く活用されている。
クーポン券は、街頭での配布、新聞の折り込みチラシ、ポスティング、店頭配布、さらにはインターネットなど、多くの手段で配布することができる。また、クーポン券を集めたフリーペーパーや、クーポンサイト、さらには「グルーポン」などの共同購入クーポンも活用されている。共同購入クーポンは登場して数年になるが、割引き率が高く話題となった。当初はおせち料理などでトラブルも起きたが、その後、運営側のしっかりした対応もあり、最近はトラブルもなくなっているようだ。
少し変わったクーポン券としては、他社の期限切れクーポン券を持参すると、50円の割引きを受けられる「はなまるクーポン大復活祭」(はなまるうどん)が挙げられる。しかし、このクーポンの告知は店頭看板しかないため、利用率もあまり高くない。現に筆者がテレビで観た直後に他社の期限切れクーポンを持参したところ、その店では初めての利用者だったらしく、レジがしっかり対応できなかった。
クーポンは広告より低コストで効果が高い
クーポンを配布する店側としては、ユーザの初回購入・初回利用を狙って実施されるものが多い。来店してほしいエリアで街頭配布、新聞折り込みチラシ、ポスティングなどで配布し、来店を誘うものだ。広告による集客よりも、より即物的でコストも安く実施できる。
名古屋のあるスーパーが、クーポン券だけを集めた「マルチクーポンチラシ」を配布し、集客に成功した。商品や割引告知だけのチラシはあまり家庭で保管されないが、このチラシはユーザが保管のうえ持参するので、高い集客効果があったという。加えて店側にとっては、ユーザが実際に利用するクーポンが把握でき、商品別の効果を測定できるというメリットもある。また、集客したいエリア、時間、売りたい商品など、戦略的に実施すると、高い効果が期待できる。
再来店目的のクーポン券も効果大
一方、クーポン利用客に限定して、さらに再来店を誘うクーポン券を発行する飲食店も増えている。利用客にとっては、次回も割引特典があれば、強力な来店の動機づけとなるからだ。