通常は1回利用限定のクーポン券が多いなか、「サンマルクカフェ恵比寿駅前店」が実施した「50円OFF×3」は、すべてのドリンクを50円OFFで3回利用できるもので、ロイヤルカスタマー(特定の商品・サービスに忠誠心の高い顧客)育成効果が期待できる。このクーポンでは、利用客に高い満足度を感じさせることが重要だ。そうすれば、クーポンなしでも、顧客の固定化を図ることができるからだ。
店側がクーポンを活用する際に注意すべきポイントとは?
最後に、せっかく実施したクーポン活用で失敗しないために、店側が心がけるべき点をまとめてみよう。
(1)クーポン券利用客の固定化に向けて、顧客満足度を高めること。
お試し利用としてクーポン券が活用される場合が多いが、せっかく来店され利用されても、接客態度やサービスが悪いと二度と利用されないため、顧客満足度を高めることが重要となる。
(2)クーポン券の説明は、シンプルにわかりやすく記述すること。
クーポン券に、小さな文字をいっぱい書かないこと。ましてや、裏面に小さい文字で利用期間、利用条件などを書いても客は読まない。
(3)条件付きのクーポン券は実施しない。実施するなら、条件を大きく明記する。
「〇〇を買うとクーポン券が有効になる」などの条件が書かれたクーポン券を、よく見かける。条件を知らない客が利用できず、不満・不信に繋がることがある。例えば、「てんやプラスワン無料券」には「『ほたて・いか』お一人様一回ご来店で、どちらか一品無料でご提供いたします」と、目立つように記載されている。しかし、小さい文字で「400円以上のお買い上げ時」と補足されているので、読まないで利用するとクーポン券が使えない。せっかく持参しても使えないのでは、利用者ががっかりする。
<店側のクーポン活用におけるポイント>
(1)クーポン券を使えば、安い費用での集客効果を見込める。そのためには、集客をしたい時間、場所などを考慮し、戦略的に活用する。
(2)読みやすいシンプルな内容にする。
(3)条件付きクーポン券は極力避ける。それでも実施する際は、条件を大きく明記する。
(4)クーポン券利用者を固定客化するには、スタッフの接客態度などに気を付け、顧客満足度を高める。
(文=富田眞司/CSN企画代表、恵比寿企画塾塾長)