デジタルな時代だからこそ、溢れる情報を整理したいところ。そのためには「アナログ」な道具もまだまだ役にたつ。情報を整理し最大限に活用する武器として「赤」「青」「緑」の3色ボールペンを活用しているのが、『情報活用のうまい人がやっている 3色ボールペンの使い方』(齋藤孝著、フォレスト出版刊)の著者である齋藤孝氏だ。
情報過多時代だからこそ知っておきたい「3色ボールペン」活用術
本書では、明治大学文学部教授の齋藤孝氏が、読解力の向上を図り、コミュニケーション力を鍛える実践的読書法、そして情報活用術としての「3色ボールペン方式」を紹介する。齋藤氏が提唱する3色方式情報術は、情報を読むとき、あるいはメモなどに書き留めるときに、「赤」「青」「緑」の3色に色分けするというシンプルなものだ。赤は、客観的に見て最も重要な箇所。青は、客観的に見てまあ重要な箇所。緑は、主観的に見て自分がおもしろいと感じたり、興味を抱いたりした箇所というように、それぞれの色を区別する。
会議資料や新聞、雑誌などを読むときに、単に線を引くだけでもいいし、「これは」と引っかかる言葉に出会ったら、その部分を丸で囲っておく。
では、なぜ3つに分けるのか。3というのは人間の脳に最も適した分類単位だと齋藤氏が思っているからだ。リズムがよく、パッと即座に判断しやすいのも3まで。信号が3色なのも、即座に判断できるのが3色が限界だからだろう。
また、赤、青、緑の色にも意味がある。赤でマークするのは、それを落としてしまうと本質を欠くという部分。「これは誰にとっても絶対に重要なはずだ」と自分が強く思っていて、個人的思い入れも含まれている。
青の場合はそこまで強くない。とりあえず重要ということにしておこうというくらいの冷めたイメージが青。やや冷めたスタンスで引く青があるからこそ、思い切って赤が引けることにもなる。それに対して、緑は完全に自由な発想ができる。自分のセンス、自分のアンテナに引っかかってくるものならなんでもいいからだ。気持ちを晴れ晴れさせ、リラックスできる色が緑なのだ。
齋藤氏が3色ボールペンにこだわるのは、脳を鍛える道具となるからだ。1本のペンに3色が入っていることにも意味がある。ペン先をカチッカチッとノックして違う色に替えると同時に、脳の主観と客観を切り替え、優先順位をクリアにするという脳の働きを鍛えていることになるからだ。まずは3色ボールペンを手に入れて、3色方式情報術を実践してみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。