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『「有名人になる」ということ』好評記念対談(1)

【対談】勝間和代・安藤美冬「自分の仕事は周囲が決める?」

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【対談】勝間和代・安藤美冬「自分の仕事は周囲が決める?」の画像1勝間和代氏(左)と安藤美冬氏(右)
「NHK紅白に出演するため、番組関係者に働きかけた」
「『情熱大陸』に出演するために、自ら企画し、番組へ提案した」

 ライフワークである男女共同参画などに関する活動を推進するため、そして、経営する会社を立て直すために、勝間和代氏(私塾『勝間塾』)が選んだ道は、「有名になる」というものであった。

 そんな衝撃的な内容で始まる勝間氏の最新刊『「有名人になる」ということ』が、大きな反響を呼んでいる。それもそのはず、出す著書はことごとく飛ぶように売れ、メディアに引っ張りだことなり、2008〜10年にかけ日本に巻き起こった「カツマー・ブーム」は、なんと勝間氏が意図してつくったものだというから、驚かないはずはない。

 一方、「ワークスタイル」「ソーシャルメディア」といったフィールドで、いま最も注目を集めているビジネスパーソンのひとりが、4月、『情熱大陸』に出演し、企業からビジネスの依頼が引きも切らないノマドワーカー・安藤美冬氏だ。

 実はかねてから交流があるというおふたりに、「今求められている新しいワークスタイル」「未開拓の市場=ブルーオーシャンを開拓するヒント」そして「『有名人になる』ということ」などについて、語ってもらった。

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――おふたりは、かねてから交流があったそうですね。

安藤美冬氏(以下、安藤) はい。私が出版社に勤めていた頃、勝間さんのご著書のPRを担当させていただきました。それ以前から勝間さんのことは本当に大好きで、著書も愛読していました。たぶん、手掛けられた本の大半は読んでいると思います。いわゆる「カツマー」です。そこで、尊敬する勝間さんのお手伝いができればと、自分から名乗り出て、ご著書のPR担当にしてもらったんです。もっとも、担当に就いて数カ月後に、私は出版社を退職してしまったわけですが(苦笑)。ただ、勝間さんとは本当に楽しくお仕事をさせていただいていたので、退職時の心残りのひとつだったんです。それで、当時勝間さんに退職のことをお伝えしたら、食事に誘ってくださって。

【対談】勝間和代・安藤美冬「自分の仕事は周囲が決める?」の画像2勝間和代氏
勝間和代氏(以下、勝間) そんな、食事といっても大したものではなくて、ランチでカレーをご馳走しただけですよ。品川では、いちばん美味しいカレー屋さんなんですけどね。

安藤 本当にうれしかったのを、今でもよく覚えています。なんて素敵な方なんだろうと、あらためて感じました。緊張して、味はよく覚えていませんが……。

勝間 退社されて、その後どうしたかなと気になっていましたが、昨年あたりからどんどん名前を聞くようになって、今ではこうしてちゃんと活躍されていますからね。

安藤 とんでもない。こうして対談させていただけるなんて、恐縮するばかりです。

人生をかけて成し遂げたいことはない?

――安藤さんは「ソーシャルメディア」「ノマド」「フリーランス」「セルフブランディング」をキーワードに、新しいワーキングスタイルなどについて、積極的に情報発信されていますね。

【対談】勝間和代・安藤美冬「自分の仕事は周囲が決める?」の画像3安藤美冬氏
安藤 私はもともと「これをやらないと死ねない」というような、「人生をかけて成し遂げたいこと」を持っていない人間なんです。例えば「本を書きたい」「世界一周したい」「勝間さんに会いたい」「ノマド手帳をつくりたい」とか、そういう小さな夢や願望はたくさんあるんですけどね。そこで29歳の誕生日に──その時はまだ会社員だったのですが──「30歳になったら自分の名前で仕事しよう」「31歳になったら会社を立ち上げよう」と、先にビジョンや目標だけ決めてみたんです。では、何をやるのか?という「What」をずっと探し続けたのですが、なかなか見つからなかったんです。カフェを開くとかゲストハウスを経営するとか、いろいろ興味はあるけど、そのことだけ、自分の人生をかけてやりたいかと問われると、ちょっと考えてしまう。

勝間 ノマドカフェを経営してみたいとか?

安藤 はい、事務所、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら、独立した仕事を行う「共働スペース」=「コワーキングスペース」的に便利に使えるようなカフェとか、確かに興味はあります。そして今の自分が置かれている環境なら、企画書をつくって、営業活動なども含めて真剣に動けば、おそらく実現できるのではとも思います。でも、やりません。単純に、ちょっと面倒臭いというのもあるし、そこまでの情熱が持てないんですよ。ただ、今回の対談もそうですけど、「ぜひに」と請われたことに関しては一生懸命応えたい、というタイプです。例えば、ソーシャルメディアでの発信によって、さまざまな依頼を引き寄せて、まずはそれらに誠実に応えていけばいいんじゃないか……というのが、さんざん悩み抜いた末にたどり着いた、現在のスタンスなんです。

勝間 なるほど。市場ニーズが向こうから自分のもとにやってくるから、それに対してひとつひとつ応えていけばいい、という考え方ですね。

依頼を引き寄せる仕掛け

安藤 そうです。それがソーシャルメディアで発信を始めたきっかけです。これだ!と没頭できるような「たったひとつのやりたいこと」がないから、まずは依頼していただいたことに丁寧にお応えしていこう、と。そして、そんな依頼を引き寄せる仕掛けをつくるためにソーシャルメディアを活用した、と。最初は細々と、知人のメルマガやスクールの立ち上げ、企画のお手伝いなどをしたりしながら半年くらい過ごして、そうこうしているうちに、出版社の編集部からPR全般を任せていただいたり、社会人や学生向けのセミナーで講義させていただいたり、コワーキングスペースのアドバイザリーをさせていただいたりと、仕事の幅が徐々に広がっていった感じです。発信を始めて芽が出始めたのが半年くらいなので、2011年の春あたりからですね、はっきりとしたかたちで仕事が来るようになったのは。

勝間 漠然としながらも、ある程度は自分のエリアは意識していこう。そのエリア内で発信をして、仕事をしていけば、自分に合いそうな役割を市場が見つけてくれるだろう……っていう発想ですよね。仕事が仕事を呼ぶようなかたちで。

安藤 はい。そして、その市場に見つけていただくためにも、発信は継続的に続けていなければならない。だから、例えばツイッターは1日に10〜20回つぶやくとか、フェイスブックは2~3日に1回、このような内容のことを投稿するとか、頻度から内容からすべて決めて実行していきました。プロフィールも、何十回も書き直しましたし。で、自分の「タグ」となるキーワードを「ノマド」「フリーランス」「ソーシャルメディア」「セルフブランディング」と定めて、それに沿った発言を中心を発信するようにしたわけです。

勝間 自分のポジションを定めて、そこでブランディングを確立していく。そうして周囲の人々から「こういうことできますか?」と問い合わせをしてもらうスタイルですよね。

安藤 その通りです。だからライフスタイルから醸されるイメージ……それこそ服装から住む場所まで、全部考えました。当時、住む場所は原宿に置いたんですね。やはり原宿はカルチャーの発信地ですから。それに渋谷の宮益坂あたりはノマドワーカー向けのカフェとかワーキングスペースがたくさんある。だから、渋谷・原宿界隈に自分の拠点を置こうと。それで、神宮前の住所が載った名刺を持つとか。さらに、ノマドを自称するのであれば、靴はブーツかスニーカーで、服装もキャリアウーマンたちのファッショントレンドを調べて、その人たちとは印象の異なる服装をするようにしよう、とかですね。以前から勝間さんがおっしゃっていた「競合の多いレッドオーシャンで勝負せず、ブルーオーシャンを開拓していく」ということを意識して、ひとつずつ実践していきました。

ブレイクするための確率を上げる

勝間 だから、安藤さんが『情熱大陸』(TBS)に出演してブレイクしたのは、偶然じゃないんですよ。ブレイクする、有名になるというトピックで、私はよく確率論を切り口にお話しするんですけど、ブレイクするための確率を上げるにはどうすればいいのかを周到に考え、それに基づいて行動していくことで、確率を限りなく上げていく。安藤さんはその努力を怠らなかったから、ブレイクしたと見ることができるのでは。もしこのタイミングで安藤さんがブレイクしていなかったとしても、例えば1年後には同じようなかたちでブレイクしたと思いますよ。きっかけは違ったかもしれませんけど。

――勝間さんも、いま安藤さんがおっしゃったようなブランディングは、考えてこられたのですか?

勝間 ある程度、努力はしましたね。例えば自書の表紙の見せ方や写真映りなど、編集者さんから提案されたりしたことには、できる限り応えよう、とか。あと、「有名人になる」という取り組みに臨むにあたって、専門のPR会社さんにもついてもらったんですが、正直なところ、最初は「どうかな?」と思うところもあったんです。ただ、専門の方が考えて、提案してくださるのだから、まずはそれに倣ってみようと。私も勉強したことない領域でしたから、お任せして、勉強させてもらおうと。そういう感覚でした。

――よく「今の20~30代は目標がない」「覇気がない」「欲がない」などと上の世代から指摘されますよね。やりたいことを問われても「よくわからない」としか答えられない、みたいな。そんな時、「とりあえず依頼されたことに真摯に対応していく」「そうすることで、次第に仕事の輪が広がっていく」といった働き方・生き方は、なかなか賢い戦略なのかな、とも思えます。

勝間 ええ。なにより、そういう生き方を採るほうが、実はブルーオーシャンの開拓がしやすい一面がある。「自分がやりたいことはコレだ!」と強い信念で打って出たとしても、そう考える人がほかにもたくさんいて、さらには先行して商売をしている人もいて……と、ものすごく混んでいるマーケットかもしれない。対して、自分の大まかな関心領域や得意ジャンルを明らかにして、来たオファーに応えていくかたちであれば、ニーズを持つ側が向こうから来てくれる。ニーズがある、というのはほかにそういうことをやってくれる適任者がいない、ということでもあるから、結果、ブルーオーシャンを開拓できてしまうかもしれない、という具合です。ただ、そこで留意しなきゃいけないのは、単なる下請けにならないようにすること。そのあたりのバランス感覚は問われてくるでしょうね。

※(2)へ続く

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●勝間和代(かつま・かずよ)
1968年東京生まれ。経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。早稲田大学ファイナンスMBA、慶応義塾大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、株式会社監査と分析取締役、内閣府男女共同参画会議議員、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授として活躍中。少子化問題、若者の雇用問題、ワークライフバランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言をしており、ネットリテラシーの高い若年層を中心に高い支持を受けている。

●安藤美冬(あんどう・みふゆ)
株式会社spree代表取締役社長、自分をつくる学校学長。1980年生まれ、東京育ち。
慶応義塾大学、集英社を経て11年1月独立。ソーシャルメディアでの発信とセルフブランディングを駆使し、複数の仕事、複数の肩書で仕事をする独自のノマドワークスタイルは、「一切営業することなく仕事をするフリーランスの女性」としてジャーナリスト佐々木俊尚さんに紹介されるほか、『情熱大陸』『ニッポンのジレンマ』朝日新聞などのメディアでも多数取り上げられる。書籍の企画、イベントプロデュース、野村不動産、リクルート、東京ガスなど企業が参画する「ポスト団塊ジュニアプロジェクト」のアドバイザリー業務、自らが学長を務めるセルフブランディングをテーマとした「自分をつくる学校」の運営など、多岐にわたる仕事を手がけ、新しいワーク&ライフスタイルのオピニオンリーダーとしての活躍が期待されている。

BusinessJournal編集部

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