古くは吉田茂や岸信介が、日頃から藤田小女姫という占い師を重宝していたのは有名だし、現在では鳩山由紀夫元首相も、占い師との関係がネット上などでたびたび取り沙汰される。
経済界でも、大手一流企業や中堅企業が、運勢や占いの専門家と顧問契約を交わしたり、企業トップが重要な経営判断をする際など、頻繁に彼らに相談しているという。
特に最近、企業が占い関係に投入する予算が増えていると指摘するのは、占い業界に詳しいA氏だ。
「大手企業と顧問契約を結ぶような占い師の場合、顧問料は月額20〜50万円は下らないようだ。彼らは、運勢学や風水、マーケティング、営業、統計学、医師など幅広い分野の専門家とチームを組んで仕事をこなしています」
占いでトラブル解決
それにしても、果たして本当に占い師が、企業活動の役に立つようなことがあるのだろうか?
「以前、全国規模で店舗を展開するサービス業の企業は、ある店舗で大部分の従業員がみな同じ症状の健康不良を起こし、休業状態になって大変だと、つてをたどって企業モノに強い占い師に相談した。占い師がすぐに駆けつけて現地を調べたところ、土地の“磁場”がとても悪いということで、すぐお祓いをしたり、風水的な対策を施したりした結果、従業員の症状も収まり、営業が再開できたことがありました。このときも、占い師は、医師や風水の専門家と連携しながら、手を打っていきました」(A氏)
こうした出来事は、日本ではどちらかというと「オカルト」だという見方をされやすい。しかし、欧米では「占い=運気を読む」「風水」は、きちんと学問の領域とされており、この手の異常現象なども「ジオパシック・ストレス」と分類される。
A氏によれば、例えば、農薬が土地に残っている「土地毒」や地下水の流れ、人が持ち込んだ周波数や波動などによって、さまざまな健康被害が発生し、ときにはガンなどの重い病気を引き起こす一因になるということが、医学的な見地からまじめに議論されているという。
業績アップに欠かせない存在?
トラブルの解決以外にも、企業が業績を上げるために、占いや運勢に頼るケースも多いという。
「占いや四柱推命などの運勢学は、ほとんどが誕生日を軸にした統計学に基づいている。カードローンの返済遅延などで苦しむ信販・貸金業界では、占い師と顧問契約をしてアドバイスを受け、回収率が数割向上したケースもあります。こうした取り組みは、多くの信販・貸金業者で行われています。では、実際に占い師が何をやっていたかというと、運勢学や統計学などの専門家とチームを組み、顧客の誕生日のデータを分析して、『このタイプには、こういうタイミングで、こういう取り立て方法・トークが有効だ』などと、顧客ごとに対応を変える方法をアドバイスしたりするのです。この手法は、物販の企業でも、ダイレクトメールを送るタイミングや顧客へのアプローチ方法などにも適用され、一定の成果を上げています」(金融業界関係者・B氏)