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注目のあのベンチャーが、有力企業からの出資を断ったワケ

Facebook、Twitter…SNSは人々を幸せにしたか?

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「Amazon Web Service」より
 90年代のIT勃興期から、常にIT/ベンチャー業界の最前線に立ち、現在は日本ベンチャーキャピタル投資部門で、ベンチャーキャピタリストとして活躍する照沼大氏。実務家として、数多くのITベンチャー企業盛衰の現場に身を置いてきた照沼氏に、「今後、一体何がIT分野においてビジネスチャンスとなるのか?」について聞いた。

――さっそくですが、いま照沼さんが注目されているITサービスをお教えください。

照沼大氏(以下、照沼) ここ5年ですごいなと思うのは、FacebookやTwitterのようなSNSもさることながら、AmazonがIaaSやPaaSといったクラウドサービス・AWS(Amazon Web Service)を提供したことです。IBMのような、ハード/ソフト/システムインテグレーションなどを総合的に提供する、いわゆる旧来型のIT企業ではなく、eコマース企業であるAmazonが、クラウドサービスを非常に安価に展開しています。

 Amazonは、創業時の事業で成功した後に、築き上げたノウハウや事業資産をエンハンスさせる好例を見せ、テクノロジーカンパニーでもあったのだということを、マーケットにまざまざと知らしめたのですね。今のIT・ネットのスタートアップ企業は、AWSによって支えられている部分は非常に大きいです。

 2002年頃から、IBMが「コンピューター資源の共有」を実現するインターネット上の異機種混合・分散技術として「グリッド・コンピューティング」という概念を提唱し、その「グリッド・コンピューティング」の新しいビジネス・モデルとして想定していたのが、「e-ビジネス・オンデマンド」です。オンデマンドとは、「必要なときに必要なだけ」という意味です。電気・ガス・水道のように、ITインフラストラクチャーやアプリケーションなどのビジネス・プロセスを、必要に応じて利用し、使用した分だけの料金を支払うというものです。今のクラウドコンピューティングの根源となるコンセプトですね。

 そのコンセプトをIBMが大々的に発表して、フルフィルメント(商品の発送から決済、配送までをトータルで実現すること)も完璧にでき、仕入れ力も抜群にあり、顧客数も世界一持っているeコマースの巨人Amazonが、本業の横展開として提供している。同社がプラットフォーマーとして名乗りを上げ、その上に他の会社がどんどん乗ってこれるようなサービスを展開している。これが加速すれば、これまでにない革新的なITサービスが誕生するかもしれません。すごいなと思いますね。

話題のソーシャルランチ、強さの秘密

――最近、「これは可能性がある」と感じられたベンチャー企業なりサービスはありますか?

照沼 ベンチャーキャピタルは、基本的にスタートアップステージの企業には投資はしないのですが、これと思った先には何社か投資をしています。その中で特に可能性があるなと感じさせてくれたのは、元グーグル社員の福山誠さんと上村康太さんの2人が立ち上げた「ソーシャルランチ」ですね。同社はKDDI∞ラボ第一期生で、初回のミーティングで、この2人はいいなと思いました。 
 
 社長の福山さんは開発者。グーグルの中では、あの年代で一目置かれる存在。片や上村さんは営業。役割がかぶっていないし、同期入社なんですが、社長は大学院卒なので、2つ上なんですよ。この年齢バランスも、ひょっとしたらいいかなと思いました。