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注目のあのベンチャーが、有力企業からの出資を断ったワケ

Facebook、Twitter…SNSは人々を幸せにしたか?

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 またFacebookにAPI連携するITベンチャーが多くなってきたので、それだけだとちょっと厳しい感じもしています。「他のサービスと何が違うのか?」ということが見えてこない。根本的には

 「どのようなニーズに応えているのか?」
 「何か問題を解決しているのか?」

といったあたりが、まだはっきりと打ち出せていないサービスが大半なんですね。だから、ぱっと見た時に他社との厳然たる差別化ができていないということになるのです。そうすると、提供する側の趣味で終わってしまうサービスになる。それだったら、ベンチャーキャピタルからお金を集めなくてもいいのではないですか? と言ってしまいたくなりますね。

ITは、人生を豊かにする方向へと進化していく

――今後、IT業界はどのようなベクトルへと向かうのでしょうか?

照沼 これまでのIT、インターネットは、まだ人生を豊かにするレベルまでの進化は遂げてきていないような気がしています。最近Facebookについて学生と話す機会が増えてきましたが、Facebookは、就職活動での自己プレゼンテーションツールにしている学生が多いのですね。非常に貧しい国でボランティアをやっていたとか、被災地に行って復興支援サークルのリーダーをやっていましたとか、自転車でどこそこを横断しましたとか。それ自体は素晴らしいとは思うのですが、それを見て別の学生が焦ったりして、なんか変なプレッシャーをお互いがかけているような状況も生まれているようなんです。

 ですから、もっとIT、インターネットが人生の豊さに直結するようなことができるといいなと思いますね。それが、現在成功しているソーシャルゲーム以上の盛り上がりをしてくればいいですね。その可能性はあると思います。それを思いついたら、私はベンチャーキャピタルを退職して起業しますよ(笑)。ソーシャルランチのように、まだまだ面白い路線を突くことはいくらでもできると信じています。

「ベンチャー冬の時代」を乗り越えて

――現在の日本のITベンチャーを取り巻く環境は、どのようにご覧になられていますか?

照沼 東京の、しかもITという片隅に限定されると思うのですが、若手のベンチャー経営者は非常に元気ですね。そして、ベンチャー育成・投資機関であるサポーター、スタートアップアクセラレーターといわれている方々や、サポートするプレーヤーも含めて、結構元気です。起業に対するモチベーションが非常に高まってきていると感じています。2011年の春ぐらいから、相当スタートアップ企業が出てきました。起業数も増えていると感じています。ただし、これからどうなるのかなというところもありますけどね。

――少し長いタームで見てみると、ライブドア事件以降は、「ベンチャー冬の時代」だったようにも感じるのですが。

BusinessJournal編集部

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