「韓国メーカーは追従できない」デジカメ市場を日本が圧倒
(右)「週刊ダイヤモンド 9/22号」
年輩の読者向けには“寿命をいかにのばすか”という視点と、働き盛り向けには“さびないカラダを作るためにはどうすべきか”という2つの視点で特集が組まれている。ビジネスジャーナル読者向けに、いかにさびないカラダを作るべきかを中心にご紹介したい。
座りすぎがドライアイの原因!? さびないカラダの理想はカラダ年齢30歳!
なにしろ、アンチエイジングに関する著書多数の順天堂大学の白澤卓二教授によると「本のタイトルに『さびない』という言葉があると30~40代の女性と50~60代の男性の反応がいい」のだという。
抗加齢医学のリーダー・米井嘉一同志社大学院教授は、「30歳の頃は非常にバランスがいいのでその状態を保つようにするとよい」とアドバイスする。「30歳ぐらいになると病的な老化が加わりはじめる」ので、その老化がはじまる直前の状態ということだ。
さて。まずは、アンチエイジングドックでカラダの実年齢を測定したい。酸化ストレスの度合いやホルモンのバランスを検査するのだ。
抗酸化力が低ければ免疫力が弱くなり、風邪をひきやすくなったり、病気にかかったときに治りにくくなったりする。また、ホルモンのバランスが悪いと太りやすい、疲れやすいなどカラダにさまざまな不調をまねく。
また、デトックスに関する検査もある。これは水銀や鉛、ヒ素、カドミウムなどの有害金属の蓄積を検査するものだ。体内に有害金属が蓄積していると、疲れやすい、頭痛、めまい、しびれなどの症状が出ることがあるのだ。アンチエイジングドックは40歳を過ぎた女性ならホルモンドック(一例6万3000円~)、中性脂肪値が高くなっている男性なら総合的なアンチエイジングドック(一例10万5000円)といった価格帯になっている(『忍び寄る老化を防げ 検査 体の実年齢はいくつ? 老化度測定し自分を知る』)。
また、目や耳といった感覚器はストレスに弱い。まず目は歳をとると涙も乾きやすくなり、ドライアイに悩むようになる。これまでドライアイはコンピュータ画面を見すぎることが原因の一つとされてきたが、座り続けていることもよくないことがわかってきた。WHO(世界保健機構)は座り続ける生活(セデンタリーライフスタイル)が病気のリスクを高めると警告しているほどだ。 耳は騒音にあふれている現代社会の影響も大きい。音楽プレーヤーやテレビの音量、騒音、喫煙、生活習慣病などが原因で、老化がはじまる。早い人は50歳くらいから高い音から聞こえにくくなる。男女では男のほうが難聴になるのが早いという。現代社会のストレスが、気がつかぬうちに目や耳の健康を悪化させるようだ(『目・耳 老眼鏡だけでなく 手術をする選択肢も』)。
やはり、禁煙と適度な運動が必要、ということのようだ。今年5月には「規則的なジョギングで平均寿命が約6年延びる」という結果も欧州心臓病学会で発表されている。ただし適度な運動は人それぞれのため、規則的なジョギングといえども、「規則的」の定義が難しいのが難点だ。いずれにせよ、運動をしていない人はなんらかの運動をはじめることがさびないカラダを作る第一歩といえるかもしれない。
また、アンチエイジングといえば、若い女性向けの市場も急拡大中だ。アンチエイジング歯科学会のある理事は「最近、20~30歳代の若い女性向け雑誌からのアンチエイジング取材が増えて驚いている」と語るほどだ。
20~30歳代の女性は日常的にスマートフォンで猫背の姿勢になっており、顔の筋肉がたるみ、40代のようなほうれい線が出来やすくなっているのだという。美容医療に光をあてた女性誌も登場しており(光文社の月刊誌「美ストーリー」)、今後も現代社会ではますます需要が増えそうだ。
写真データが消える恐怖
「週刊ダイヤモンド 9/22号」の特集は『カメラ劇変!』。今年は10年に1度のデジカメの製品ラッシュだ。秋から年末にかけて多くの話題の商品が発売される。半導体や家電業界が惨敗するなか、デジタル分野ではカメラが日本のモノづくりの最後の砦だ。砦をめぐる大攻防戦を追うという特集だ。
一眼レフ市場で他社を圧倒する2強、ニコンとキャノンはオリンピックや報道の最前線で圧倒的に支持されている。今回のロンドンオリンピックでも二社の新商品を駆使するカメラマンの姿が、記者席を占めた。両社の強みはレンズ技術の高さだ。材料のガラス加工や研磨はかつて職人芸の世界といわれ、ノウハウの塊で、韓国や中国の海外メーカーは追随できない領域になっている。
これに対し、光を反射させるミラーをなくしたミラーレス一眼の登場で、ソニー、パナソニック、オリンパスといった家電、中堅3社が小型でカラフルなミラーレスを次々投入。カメラを趣味とするいわゆる「カメラ女子」「写ガール」現象を生み出した。ミラーレス業界は家電、中堅3社がシェアを独占していたが、韓国のサムスン電子も参入。すでにサムスン電子はコンパクトデジカメ業界ではシェアを急増させており、スマートフォン、コンパクトデジカメ、とミラーレス一眼でのシェア上位の三冠を狙う勢いだ。
こういった業界の現状(『Part1 デジタル化で勢力図激変!』)から、デジカメの代わりになりはじめたスマホのかしこい使い方を紹介している(『Part2 スマホが変える撮り方・楽しみ方』)。スマホによる撮影枚数は、数年後にはデジカメを抜く勢いだという。
アプリも充実し、ますます便利になるスマホによる撮影機能だが、デジタル化で思わぬ悲劇も起きている。デジタルのために写真が簡単に消えてしまうことだ。
まずは『思い出が消える? 写真「保存」問題の袋小路』という記事によれば、スマホの登場により、人々が撮る写真データの量は急増しているが、「保存」環境が整っていない。機種変更後もスマホの中に入ったままか、パソコン買い替えの際にハードディスクに入れて放置したままというケースが多い。ネット上の「クラウド」サービスを利用しても、いつサービス中止となるかわからないリスクに見舞われている。やはり写真は紙焼き(プリント)する必要がどうしても出てくるのだ。
それを実感させるのが「大震災後の洗浄作業でわかった『最近の写真がない』」という記事だ。東日本大震災では、自然発生的に自衛隊員やボランティアによる写真やアルバムの回収が行なわれた。富士フィルムは「写真救済プロジェクト」を始め、海水に浸かって泥にまみれた写真の洗浄を行なった。ボランティアもあわせて洗浄した写真の合計は実に17万枚に上ったという。
しかし、そこで気がついたのは、デジカメが急速に普及した2000年以降の写真がほとんどないことだったという。プリントされずにデータのままで保存されていたためだ。しかも、写真データの入ったパソコン、CD、メモリはほとんど回収されず、回収されたとしても水没して、ほとんどデータが読み取れなかったという。
思い出までも津波に流されてしまってはたまったものではない。今後は保存問題にも注目が集まりそうだ。
(文=松井克明/CFP)