三平女子がよく口にする驚きの結婚観は、次のとおりだ。
(1)ヘタにモテるイケメンは、浮気リスクが高い
→それなら、自分だけを大事にしてくれるフツメンのほうが安心
(2)年収1000万円以上の男性は、得てして浪費傾向があり「上から目線」
→それなら、自分を尊重(リスペクト)してくれる男性のほうが心地いい
(3)仕事がデキても「仕事人間」の男性は、概して家事や育児を手伝ってくれない
→それなら、仕事はそこそこ、イクメン予備軍の男性のほうがラク
震災後の「おひとりさま不安」も、理想のパートナー像に変化を与えた。いざというとき頼りになる、いわゆる「サバイバル男子」が注目され始めたのだ。
サバイバル、と聞くと「マッチョな腹筋男」をイメージする人も多いだろう。確かに以前、オーネットのベテランアドバイザー岸野芳子さんが教えてくれたのは、「震災後、自衛隊員の人気が急上昇している」との事実。
被災地の人々に尽くす姿(映像)を見て、「頼れる」「カッコイイ」と感じた女性も多かったようだ、とのこと。いささか女性は単純だ。
理系、オタク男子が人気?
一方で、私が取材した20~30代女性たちからは、こんな声も上がった。
「(震災の)計画停電の影響で、会社のパソコンが壊れた。もう目の前が真っ暗。それをササッと直してくれたシステム部の新人クンに、マジで惚れそうになった」
「最近、地味でも理系で、家電とか登山とかアウトドアとか好きな男子に憧れる。大災害がきても、電源確保したり火を起こしたり、いろいろ知ってて助けてくれそう」
そう、サバイバル男子は、体力だけでなく「知力」が大事。とくにパソコンやネットのシステムに強い、理系やオタク寄りの男性のほうが、見栄ばかり張っていざとなると逃げ出す「ステイタス男」よりも結婚相手に向く。三平女子は、そのことに気づいた。
そこで再び浮上するのが、私が拙著『「ゆるオタ君」と結婚しよう!』(講談社)で取材した、ゆるいオタク男子、いわゆる「ゆるオタ君」だ。
ご存じのとおり、最近は「オタ婚活」と言われる市場も花盛り。
アニメやマンガ、ゲーム、アイドル、鉄道など、同じ趣味を理解し共有し合える者同士で相手を見つけよう、との動きだ。
以前から、水瀬洋さんが主催するカップリングパーティ「オタ恋」のように、個人で活動する例はあった。だが、10年秋に埼玉・鷲宮(わしのみや)の商工会が旗振り役となり、アニメ『らき☆すた』(テレ玉ほか)の聖地(舞台)である地元の鷲宮神社やその周辺で「オタ婚活」を始めると、民間企業もこの市場に注目するように。
そしていまオタ婚活は、意外な理由から、マーケットを拡大している。
(その意外な理由とは……?)