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日銀プロパーが3代続いた総裁ポストを、虎視眈々と狙う財務省

白川総裁続投の可能性も? 人事で加熱する日銀と財務省の暗闘

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日本銀行本店(「wikipedia」より)
 金融関連の国会同意人事が今秋から本格化する。

 しかし、永田町は解散総選挙の時期をめぐり政局含みの展開で、重要ポストが長期にわたり空席となる最悪の事態も予想される。

 まず、9月26日に任期満了を迎えた公正取引委員会の竹島一彦委員長の後任人事が決まらず、委員長ポストが空席となっている。そもそも歴代最長の10年2カ月に及び、名委員長と称された竹島氏だけに、その後任選びは簡単ではないことに加え、9月に細川清委員が亡くなったため、「現在、公取委の委員は3名しかおらず、ひとりでも欠けると委員会そのものが開けず、意思決定に支障が出かねない状態」(公取委関係者)という。一日でも早く後任委員長を決める必要があるが、与野党が合意する人選は難しく、「人事案そのものが政争の具になりかねない」(同)と指摘される。

 さらに12月5日には、国会同意人事として預金保険機構の田邉昌徳理事長が任期切れを迎える。田邉氏は在任期間がまだ1期2年であることから、続投する可能性が高いが、この預金保険機構の理事長ポストは2年前に揉めに揉めた過去がある。

 預金保険機構理事長ポストは10年6月まで旧大蔵省出身の永田俊一氏が3期6年間務めたが、任期切れに伴い一時空席になった。後任が決まるまで前任者が職務を続ける規定がないためだが、「同年9月には日本振興銀行にペイオフが発動されるなど、預保が対応しなければならない重要課題があり、早急に埋めなければならなかったポスト」(金融庁関係者)だった。

 だが、春先まで永田氏の続投で調整していた金融庁案は、民主党の反対でとん挫。最後は日銀出身の田邉昌徳理事の内部昇格案で落ち着いた経緯がある。金融庁としては数少ない有力な天下り先なだけに、今回の任期切れを契機に日銀から奪還したいのが本音であろう。

●早くも加熱する日銀総裁ポスト争奪戦

 そして、最大の注目は、来年4月8日に任期5年を迎える白川方明日銀総裁の後任人事となる。日銀関係者によると、「最有力候補は、前回の総裁人事でも本命視された武藤敏郎・元大蔵省事務次官(現大和総合研究所理事長)、対抗馬では元日銀副総裁の岩田一政氏(現日本経済研究センター理事長)などの名前が取り沙汰されている」という。しかし、武藤氏については、民主党内に天下り批判が根強いほか、70歳近い年齢がネックとなりかねないと指摘されている。

 日銀総裁の任期は日銀法で5年と規定されており、「国会同意人事」として衆参両院での了承が前提となる。白川氏が選任された前回08年の総裁人事では、当時の与党自民党が武藤敏郎副総裁の昇格を国会に提示したものの、参議院で過半数を占めていた民主党の反対で否決された経緯がある。「天下りはまかりならんというのが民主党の言い分だった」(自民党幹部)という。

 このため、与党は次善の案として、田波耕治氏(国際協力銀行総裁)を提示したが、これも元大蔵事務次官ということで否決され、最終的に「日銀出身で京都大学大学院教授に転じていた白川氏が『漁夫の利』を得た格好となった」(同)。

●キャスティングボートを握る自民党

 政権をめぐる自民・民主の対立が、日銀総裁人事にまで及んだわけだが、このまま衆院の任期満了まで解散・総選挙がない場合、今度は与野党が立場を逆転して次期総裁人事が国会に提出されることになる。「今回は自民党が人事案についてキャスティングボートを握っている。自民党が望む武藤総裁案が軸になることは間違いない」(永田町関係者)という。だが、民主党には、「国会同意人事は新任65歳、再任70歳未満」という内規があり、武藤氏は、この内規に抵触する。

『夢を引き寄せるインナーグレートの法則』


総裁ポストという夢を引き寄せるのは誰?

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