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ダマされないための「儲けのカラクリ」 第15回

AKB、コンドーム、コンビニから今年のクリスマス商戦占う

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「初音ミククリスマス・ピアノケーキ」を
販売するファミリーマートのHPより。
 さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?

●ブラックフライデー狂想曲

 米国ではブラックフライデーが終わり、小売各店はクリスマス商戦本番に入った。ブラックフライデーとは、米国の感謝祭翌日のことで、11月の第四金曜日を指す。ブラックフライデーというと、なんだか不吉な感じがするけれど、意味は各店舗が黒字=ブラックになることだ。多くの店舗が激安セールを繰り広げる。どこまでをクリスマス商戦とするかで統計は分かれるけれど、年間の3~5割の売上高がこの期間に依存している。

 この期間に合わせて米国旅行する人もいる。昨年はアップルがiPad 2を61ドル引きで販売し、シェアを大幅に伸ばした。ウォルマートが40インチ液晶テレビをなんと198ドルで販売したのも、この時期だ。また、今年も各社の新商品発表が相次いでいる。

 ちなみに、今年の面白い動向として、レイアウェイの拡充がある。レイアウェイとは、要するに取り置きサービスのことだ。消費者は頭金と手数料を払ったのち、90日程度をかけて分割払いすることで、クリスマス時に商品を受け取る。消費者にとってなんのメリットもなさそうなこの制度だけれど、米国では現金不足の消費者が多い。同国にはフードスタンプ受給者が4500万人以上いるとされる。フードスタンプとは生活保護制度のようなもので、スーパーで食料品等と交換できる金券のことだ。彼らからすると、分割払いにしてもプレゼントを買いたいわけだ。こうした層への消費意欲をたきつけるために、トイザらスはレイアウェイ手数料を無料にし、ウォルマートも手数料還元のサービスを始めた。

●返品狂想曲

 ところで、同国の消費者が商品を買う店舗を選ぶ際に重視する点は、どのようなところだろうか?

 それは、「商品が安いこと」と「返品しやすいこと」だ。米国で驚くのは、ギフトレシートの存在だ。買った店などの情報が記載されているものの、値段は書かれていない。プレゼントを渡すときに、このギフトカードを添える。そうすると、プレゼントをもらった側は、もしそのプレゼントが気に食わない場合は、そのギフトカードを使えば店に返品できる。服の色を替えることもできるし、違うものと交換したい場合はギフトカードをもらえる。

 同時に、不正返品も問題となっている。どこまでが不正返品かは議論が分かれる。ただし、アメリカの大型小売店では、ほとんど理由を訊かずに返品を受け付けてくれる。やろうと思えば、タグとレシートを保管しておけば、一度パーティーなどで着たものを返品できる。これまたデータによって異なるけれど、年間40億~140億ドルもの不正返品があるといわれているくらいだ! それに、もらったプレゼントであれば、思い入れもなく返品できるかもしれない。

 プレゼントに領収書(ギフトレシート)を添付するとは、なんとミもフタもないことだろうか、と日本人としては思うけれど、合理的といえば合理的だ。最近は、米国ではずばりiTunesやamazon等のギフトカードを贈る比率が上がっている。現金同等物を送るとは、これまた合理的というべきか。

●日本のクリスマス商戦

『野比家の借金 人生に失敗しないお金の考え方』


坂口氏の最新刊。人生とお金を結びつけながら、ちゃんと考えるための本。

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