2月23日付朝日新聞より
今回の報道について、全国紙記者は次のように話す。
「記事では『財務省や内閣官房の関係者らが明らかにした』とされていますが、財務省のリークではないかとの見方が有力です。以前は日銀総裁ポストは、旧大蔵省(現財務省)OBと日銀出身者が交互に就任する“たすきがけ人事”が行われていましたが、1998年に着任した速水優氏以降、3代続けて日銀出身者が就いています。よって、今回財務省はなんとしても総裁の座に同省OBを送り込みたい。しかし、昨日、同省大臣でもある麻生太郎副総理・財務・金融相が『財務省OBでなくてもよい』と発言。あせった同省関係者が、既成事実化を狙って、朝日にリークした可能性があります」
もしリークが事実の場合、日本経済新聞ではなく朝日新聞に対して行われた理由について同記者は、「日経(新聞)は日銀の広報部みたいなもので、まさに一心同体。リークを受けても、日銀の意にそぐわないことは書けませんから」と語る。
また、別の全国紙記者によると、今回の報道を受け、かえって黒田氏就任の線が薄くなった可能性もあるという。
「麻生さんにしろ安倍さんにしろ、自分の発言のすぐ後に、あたかもその内容を覆すかのような『黒田氏有力』との報道を心良くは思いません。あえて別の人を推す可能性もあります」(同記者)
現在、黒田氏のほかに、次期日銀総裁候補として
・武藤敏郎 大和総研理事長(元財務事務次官)
・伊藤隆敏 東京大学大学院教授
・岩田規久男 学習院大学教授
・岩田一政 日本経済研究センター理事長
らの名前が挙がっているが、「依然流動的との見方が強い」(前出の記者)という。
(文=編集部)