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“オトコたちのウットリワールド”をぶった斬り!「男性誌」のあぜ道 第1回

男性誌「GQ」はオトコの自己陶酔をかき立てる魅惑の媒体!?“スーツ自己啓発”で成功掴め?

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表紙はベン・アフレックの「GQ」4月号
(コンデナスト・ジャパン)

 みなさん、こんにちは。

 フリーランスで編集者/記者業を営んでおります、漆原直行と申します。

 今回から始まる、この新連載。俎上に載せるのは、男性誌でございます。

 もう少し詳しく申しますと、社会人男性を主要読者に据えた、ファッション、ライフスタイル、カルチャーを扱う雑誌たち。たとえば『GOETHE』(幻冬舎)、『LEON』(主婦と生活社)、『Men's EX』(世界文化社)、『MEN'S CLUB』(ハースト婦人画報社)、『OCEANS』(インターナショナル・ラグジュアリー・メディア)、『Safari』(日之出出版)といった媒体でしょうか。

 20代半ば~40代あたりまでの社会人男性が持つ横顔はさまざまです。そうした読者事情を踏まえて、前述したような雑誌は「精力的に働く、仕事のデキるオトコ」「オフタイムは少年に戻って趣味に興じるオトコ」「素敵な婦女子とスマートに遊ぶオトコ」「隣の奥さんが羨むようなよき夫たるオトコ」「カッコいい父として子どもに慕われるオトコ」などなど、挙げていけばキリがありませんが、そういった“オトコ道”を読者に提案していくような姿勢が基本にあります。

 これらの雑誌はもちろん「あ、このネクタイはいい色だな」「このバッグ、便利そう」といった、ファッションカタログ的、モノ情報誌的な実用性を備えた媒体ではありますが、一方で、独自の世界観ーーオトコの美学を求道し、極めんとするような、えも言われぬ洒落臭さーーにも充ち満ちているのですね。多かれ少なかれ、自己満足や自己陶酔の感覚をくすぐるつくりになっているワケです。

 この連載では、そんな“オトコたちのうっとりワールド”をつまびらかにするべく、男性誌の注目記事を紹介していきたいと考えております。生温かく、ご笑覧いただければ幸いです。

●デキるオトコは「正しい」装いで「成功」へと羽ばたく

 ……と、初回なので前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ本題へ。

 男性誌界隈を見回しますと、4月号はスーツ特集が非常に多かったりします。新年度、新生活で「スーツでも新調しようかな」という時期と重なりますから、読者の情報ニーズだけでなく、かき入れ時で鼻息が荒いビジネスアパレル系のショップやメーカーの要求にも応える、非常に理にかなった選択といえるでしょう。

 さて、スーツをフィーチャーする企画を組んだ各誌のなかでも、とりわけ印象的だった特集はこちら。

『GQ JAPAN4月号』(コンデナスト・ジャパン)
正しい仕事服とトレンドの正しい関係
成功のための服装術
2013年春夏版

 内容としては、スーツを中心に働くオトコのための各種アイテムを紹介していくものなのですが、まず「成功」をキーワードに持ち出すあたりが、実にあざとい。「成功」といえば、自己啓発系ビジネス書でも頻用される、意識の高いビジネスパーソンの琴線にビンビン触れまくりのワードでございます。

 そして特集の冒頭では、名物編集長・鈴木正文氏による、次のようなリードが添えられるのです。

「仕事をする男としてのルールを踏まえた『正しい』装いに、時代の気分をあざやかに盛り込むとき、あなたを見る目が変わり、あなたは成功へのステップを軽やかに踏み出すだろう」

 ……これは強烈です。「あなたが変われば、あなたの世界が変わる」的な、それドコの『思考は現実化する』(自己啓発書の古典。ナポレオン・ヒル著)ですか!? とツッコみたくなるような、非常に自己啓発的なマインドに富んだ、濃厚な特集導入文といえるでしょう。いうなればこの特集、「スーツ自己啓発」なのですね。イイ感じでムズムズしてまいりました。

『GQ JAPAN (ジーキュー ジャパン) 2013年 04月号』


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