著:鈴木進介/扶桑社
「今すぐスマホを捨てろ」
そう言われたら、あなたはすぐにスマートフォンを手放すことはできますか? だいたいの人は『スマホなしの生活は想像しにくい』と思うのではないでしょうか。スマホは私たちの生活の中にすっかり定着しています。
しかし、スマホはそもそも10年前にはなかったもの。20年前に遡ると携帯電話すら普及していませんでした。だから、スマホなしでも生活できるはずなのです。
「スマホがないと生活できない」は実は思い込みです。経営コンサルタントの鈴木進介さんは、そうした世間の波にただ流されるだけの人を「無難な人」と名付けて、警鐘を鳴らします。
『スマホは捨てろ!』(扶桑社/刊)は「無難な人」の特徴、そのまま「無難な人」でいるとどうなってしまうのかを教え、そして長い間、時代の最先端にいられる“生き残る人”になるための処方箋を読者に提供してくれます。
ところで、「無難な人」といういい方は、それほど悪い印象でもないですよね。
しかし、鈴木さんは「無難な人」についてかなり辛辣な批判を展開しています。「無難な人」の特徴は、世間の変化や社内の空気に合わせて行動しているので、いつまでたっても集団の中から抜け出すことができず、仕事で圧倒的な成果を残すこともできないこと。いわゆる“社畜”のような状態になっているのです。
また、現代は変化が激しいですから、その変化に合わせていくだけでも大変なこと。常に後追いになってしまうことは容易に想像できます。そこに“自分らしさ”はありません。
では、具体的に「無難な人」とはどんな人のことを言うのでしょうか。鈴木さんが本書の中で「無難な人」の典型例を箇条書きで羅列しています。この中に当てはまるものはありませんか?
■自分は「そこそこ」仕事ができると思っている。
■現状のまま努力していけば「なんとか」会社に残れると思っている。
■心の奥底には「漠然とした」不安があるものの、何をすればいいかわからない。
■「それっぽい」アイデアを出すのは得意。
■「とりあえず」みんなの意見を聞いてみる。
いくつ当てはまったでしょうか。数が多いとかなり危険です。
しかし、こうした「無難な人」は基本的に能力が高く、組織の構成員としてはかなり有能な人が多いという傾向もあります。そして、転職や独立など「動きたい」という意思と、今の会社で働き、リスクを避けたいという「動けない」という想いの狭間で葛藤しています。
鈴木さんは、本書を「自分らしさを封印してしまった優秀な社員たちを『社畜』から解放される手助けをしてあげたい」という想いでつづったといいます。
事実、「無難な人」から抜け出すための心構えや行動原則、発想法、根回し術、勉強法などが丁寧に解説されており、読んだ次の瞬間、どう動くべきかが分かってくるはずです。鈴木さんは今の30代は、40代・50代のバブル組がつかえて、まっとうに定年まで会社にいられるか分からない状況にあることを指摘します。
40歳以下の、これからの時代を創り出す若い世代の方々は、「無難な人」にとって、今の自分を客観的に見るためのきっかけをもらえる一冊です。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
【関連記事】
■あなたのスマホ、セキュリティは大丈夫?
■ゴチャゴチャした頭を切り替える“心の整理術”
■話ベタは○○○○新聞を読むと良い?
■ケータイPCに過度に依存「IT中毒」とは?