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「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(9月第1週)

第三次ホテル戦争の幕開け〜外資系開業ラッシュを迎え撃つ日系ホテル、攻防のカギは?

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「Thinkstock」より
 「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/9月7日号)は、「宿泊客1万人が選んだ 激変! ベストホテル」という特集を組んでいる。「ホテル業界が明るい。需要増による客室の高稼働に、いくつもの外資系ホテルの開業予定、宿泊特化型の伸長や、大型買収の復活、設計革命など話題は多い」という内容だ。

 円安やLCC(格安航空)増設、東南アジア諸国へのビザ緩和による外国人旅行者の急増に加えて、日本国内のアベノミクス効果による消費マインドの好転といった景気回復で、東京、大阪、沖縄、北海道など全国の主要都市や観光地では、客室稼働率90%超のホテルが続出だという。

 知っておきたいのは、さらにこうした環境に加え、同業界では第三次ホテル戦争の火ぶたが切られようとしている。まずは今年12月3日にオープンするのが東京マリオットホテルだ。森トラストが運営するラフォーレ御殿山をブランド転換したもので、外国人客の比率を高める。

 2014年夏には、森ビル・虎ノ門ヒルズの高層階に、ハイアット系のアンダーズ東京が入る(164室)。パークハイアットとグランドハイアットの中間価格帯だ。また、大手町の高層ビル・大手町タワーには高級リゾートホテルとして知られるシンガポールのホテル・アマンが初上陸、16年には三菱地所の大手町東地区再開発プロジェクトのひとつ、18階建ての建物に、星野リゾートの「星のや 東京」が開業予定されている。

 これに対し、老舗ホテル御三家で、帝国ホテル東京、ホテルニューオータニに並ぶホテルオークラ東京が施設の老朽化に伴い、建て替えに乗り出すという。

 第一次ホテル戦争はフォーシーズンズホテル椿山荘(1992年)、パークハイアット東京、ウェスティンホテル東京というホテル新御三家が登場した94年に起きた。

 第二次ホテル戦争は、2005年にコンラッド東京、マンダリンオリエンタル東京、07年にはザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京、09年にシャングリ・ラ ホテル東京、などが続々開業した00年代後半だ。特に07年は、供給過多を懸念する「2007年問題」が注目された。

 ダイヤモンド編集部では、恒例のホテル宿泊者1万人ビジネスパーソンのアンケートを実施。今回、満足度を基にランキングした。

●ディズニー関連ホテルが人気

 1位:東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ(千葉)、2位:リーガロイヤルホテル(大阪)、3位:ヒルトン東京ベイ、4位:東京ディズニーランドホテル(千葉)、5位:JRタワーホテル日航札幌(北海道)、6位:ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪)、7位:帝国ホテル東京(東京)、8位:名古屋マリオットアソシアホテル(愛知)、9位:ホテル日航アリビラ(沖縄)、10位:品川プリンスホテル(東京)といったランキングになった。

 昨年のランキングは1位:横浜ロイヤルパークホテル(神奈川)、2位:ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル(神奈川)、3位:リーガロイヤルホテル、4位:ザ・リッツ・カールトン大阪、5位:東京ディズニーシー・ホテルミラコスタだった。

 リゾート系ホテルが上位を占めた今回のランキングからは、3つのトレンドが見て取れる。「1つ目が、東京ディズニーリゾート(TDR)周辺のホテルへの満足度が、従来の人気を超えて、さらに上昇していること」「2つ目が、北海道や沖縄など、東京から飛行機で行く地域のホテルの躍進が目立つこと」「3つ目は、改装によるイメージアップ効果」だ。

 東京ディズニーランド開園30周年の効果もあってか、TDR関連のホテルが5つもベスト20に入っている。「トップの東京ディズニーシー・ホテルミラコスタは、東京ディズニーシー内にあるホテルで、ハーバービューの部屋からは水上パレードを見ることもできる。早朝や深夜には、パレードの練習が見られることもある」「ゲスト専用エントランスから、通常よりも15分早く入園できるといった特典は、ホテルとして強力な競争力になる。ミラコスタの平均客室単価は明らかにされていないが、5万円超から今年は5万円台半ばに上がった」という。総合3位になったヒルトン東京ベイもTDRのオフィシャルホテルだ。

 ユーザーにとってはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)との相性がよく、そこで撮った写真を公開するとフォロワーや友達からの反応がいいホテルが、ランキングの上位に上がってくる。5位のJRタワーホテル日航札幌も、03年に札幌駅のリニューアルオープンとともに開業。札幌で最も高いビルの高層階にあり、その眺望のよさが人気の理由だ。その上にLCCの就航で札幌に旅行する人が増えたことも、人気を押し上げた要因と見られている。名古屋マリオットアソシアホテルも、名古屋駅を見下ろす52階建てタワーの高層階にあり、話題性が上位に入る秘訣といえるかもしれない。
(文=松井克明/CFP)