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激務・高離職率…証券会社、パチンコメーカーは本当にブラックか?複雑なブラック認定の問題

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超激務なイメージの証券マンだが…「Thinkstock」より
 世の中には「ブラック企業ランキング」「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によれば、「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがあるという。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影されている可能性があるためだ。新田氏がそのような企業を取り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。

 私が就活生だった1998年当時、「ブラック企業」という言葉は一般的ではなかったが、消費者金融、OA機器販売、そして証券リテール営業などが、“労働環境が劣悪な職種”と認識されていた。そして当時から「証券マンの平均寿命は、日本人の平均寿命マイナス20歳」などという都市伝説が語られていたことを思い出す。

 月日は流れて、今はどうだろう。金融業界自体は、その安定感と高給イメージから根強い人気のはずだ。なにしろ2013年度の「日経就職人気ランキング」(日本経済新聞)では、“トップ10の会社が全部金融業界”という異様な光景を呈していたのだから。

(2013年2月27日付日本経済新聞より)

 しかしよく見てみると、その中には証券会社の姿が見えない。それもそのはず、今はなきリクルート調査による「就職人気企業ランキング」では、過去36年間(1976年~2012年)にわたって“証券会社がトップ10入りしたことは一度もない”のだ。

 そう、証券会社にはいまだにブラックというイメージが根強く残り、世間の多くもそのように認識している。ネット上で「証券会社に内定した」という書き込みに対して、元社員などから「やめておけ」とクギを刺す論調も目立つ。

 営業経験のある方なら「詰める」という言葉を当然ご存じだろうが、これはもともと野村證券の社内用語だった。「ノルマでギリギリまで追い詰め、ヘトヘトになるまで徹底的にしごく。それで初めて一人前になる」という同社の教育観が、この「詰める」という言葉に凝縮されているといえるだろう。

 そんな過酷そうな証券会社だが、なぜかワタミやユニクロのように「名指しでブラック呼ばわり」されることは少ない。実態はどうなのか、現役社員にインタビューしたところ、意外な事実が判明したのである。

●本社勤務はむしろ「居心地がいい」

 証券会社の典型的なイメージである「超激務」「体育会系営業会社」「離職率高い」「ブラック」というのは、実は全体の一部分でしかない。あくまでも、それは個人向けの訪問販売部隊「リテール営業」の話であり、それも今40代以上の管理職世代が若手の頃、30年前から06年頃までの話である(具体的には、06年に「金融商品取引法」が改正され、販売や勧誘に関して利用者保護規制が厳しくなるまで、ということになる)。

 証券会社に限らないが、事業会社には営業マンが勤める支店現場以外に、本社勤務という仕事がある。実は証券会社の本社勤務は、多くの人がイメージする厳しい営業のイメージとは少々違い、意外と働きやすい職場なのである。

 私は、国内大手証券会社で「上場支援」や「債券発行支援」を担当している本社勤務のアラサーエリート社員から、本社勤務の実態をヒアリングした。

 「本部で働いている限りは、ウチの会社はそれほどブラックだとは思わないです。確かに業務量は多いですが、他の業界に比べたら給料の絶対額は高いですし。ボーナスが業績で変動するんですが、ボーナスが低いときで年収700万円台後半、多いときは1000万円台に乗るくらいです」

――業務量と給与のバランスはどうか?

 「入社したとき(リーマンショック前後)は景気悪くてボーナスもなく、『頑張っている割には恵まれない』という感覚でした。こっちは大手の総合職なのに、『東京海上日動火災保険の一般職のほうが、ボーナスはうちの倍くらいもらっている』という時代もあったくらいですから。実際、辞めていく人は給料を理由にすることが多かった」

――働く環境としては?