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スマートウオッチ、“ギークの玩具”を抜け出し、ヒットの可能性は?デメリット克服のカギ

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 スマートフォン(スマホ)が大ヒットし、世界的な人気ガジェットになっているのは言うまでもない。今では、携帯電話といえばスマホがごく普通なものになっている。そんなスマホの次のヒットを狙って、多くのスマホメーカーが開発しているのが「スマートウオッチ」だ。

 しかし今のところ、あまり大きなヒットにはなっていない。これはなぜだろうか?

ソニーモバイルのスマートウオッチ「SmartWatch2」。アナログ時計のような表示もできる。

●スマートウオッチの機能とは?

 スマートウオッチは高機能かつ多機能な時計で、腕に装着するウェアラブルデバイスだ。しかし、その搭載する機能について明確な定義はない。現在のスマートウオッチは、主にスマホとの連携に主眼を置いており、以下のような機能を搭載している。

 ・メールの着信を通知
 ・SNSのメッセージの着信を通知
 ・SNSのメッセージを直接開く
 ・登録した予定のリマインダー通知
 ・カレンダー通知
 ・特定の機種との組み合わせで通話
 ・通話履歴のチェック機能
 ・写真撮影
 ・ボイスレコーディング
 ・スマホの音楽再生のコントロール
 ・スマホの置き忘れ防止(短距離通信の接続が切れると教えてくれる)

サムスンのスマートウオッチ「GALAXY Gear」。カメラ機能を搭載している。

 現在のスマホとスマートウオッチの間の通信には、Bluetooth4.0を使うのが普通になってきている。このBluetoothは短距離通信技術として有名で、高速ではないが、低消費電力なのでスマートウオッチの接続には向いている。

●スマートウオッチを使うメリットは何か?

 さて、それではスマホユーザーがスマートウオッチを使うと何がプラスになるのかを考えてみよう。気がつくのは、ほとんどの機能はスマホの補助にすぎないということだ。スマートウオッチにしかない機能は、スマホ置き忘れ防止機能ぐらいだ。

 「ポケット(あるいはバッグ)からスマホを出す」これだけのことをする代わりに腕に着けたガジェットで、スマホより小さなディスプレイで作業すること、そのメリットはどれほどあるのだろうか?

 むしろ、この小さなメリットを目的としてスマートウオッチを使うと、面倒になることは数多い。

 まず、新たなガジェットの使い方を覚えなければならないということ。一般ユーザーの中には、スマホの使い方を覚えるのが面倒でガラケーを使い続ける人もいるのに、これはスマートウオッチを購入するハードルをさらに高くしてしまいそうだ。

 また、ユーザーの管理するデバイスが増えてしまうのも無視できない。多くのスマホは充電池で駆動しているが、あまり長持ちせず、毎日充電しなければならない。仕事などで疲れて家に帰ってきた時に、スマホだけでなくスマートウオッチも充電しなければならないというのは、精神的にハードルが上がる。

 その上、高いものでは価格が3万円以上もしており、一般ユーザーが積極的に買いたいデバイスとはなり得ないだろう。

●スマートウオッチはギークの玩具の座を脱却できるか?

 このように、現在のスマートウオッチがヒットしないのは、「メリットが少なく、デメリットが多いから」と考えられる。このままでは、新しい物好き・機械好きな人たち(ギーク)の玩具的な小さなマーケットの中だけで評価される製品の枠を抜け出ることは難しいだろう。

 しかし、ユーザーにとってメリットの大きい機能を持つようになれば、当然、ヒットデバイスになる可能性もある。これは商品コンセプトが大きな問題になるため、スティーブ・ジョブズ氏がそのコンセプトを考えたともいわれるアップルのiWatchや、Androidの開発元でもあるGoogleが今後、開発してくれることに期待したいところだ。

 もう1つの可能性は機能だけではなく、ファッション的なデバイスとして機能を超えてブレイクするという方向性だが、これはアップルなら期待できるかもしれない。

 それにしても、携帯電話の普及によって腕時計の需要が激減したといわれる中、スマートウオッチというカタチで蘇らせようというのは皮肉なものだ。
(文=一条真人/フリーライター)