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現実味増すカジノ解禁、裾野広い関連産業で高まる期待〜ゲーム機、建設…フジは一大構想も

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「Thinkstock」より
 これまで何度も浮んでは消えたカジノ構想だが、2020年の東京での五輪開催決定を受けて、IR(統合型リゾート)推進法案(通称「カジノ法案」)が成立するとの期待が高まってきた。すでに20カ所以上の自治体や団体がカジノ誘致に手を挙げているが、中でも最有力候補は東京・お台場だ。

 東京都の猪瀬直樹知事は6月の都議会で、臨海副都心地区(お台場)でカジノ設置を目指す考えを再度表明した。石原慎太郎前知事時代の02年、都庁で模擬カジノをやったほど前のめりしている。だが、パチンコ業界を抱える警察がカジノに難色を示すなど利害調整が難しく、国会議員の腰は引けていた。

 昨年12月の安倍晋三政権の誕生で風向きが変わった。安倍首相は国会で「カジノ導入が産業振興をもたらし得る」と答弁。アベノミクスの成長戦略の一環にカジノを位置付けた。安倍首相はカジノを推進する超党派の国会議員による国際観光産業振興議員連盟(IR議連=通称・カジノ議連)の最高顧問を務めている。

 東京五輪開催が決まったことで、カジノ構想に追い風が吹いた。もともと五輪とは無関係に進められていた構想だが、東京五輪開催に合わせて一気にカジノを実現させようという気運が強まっている。

 カジノの建設は五輪に向けたホテルの集客アップにつながるほか、外国人観光客に五輪開催中に利用してもらう娯楽施設ともなり得る。五輪後は外国人観光客誘致の目玉になる。カジノは約100億ドル(約1兆円)の収入をもたらし、雇用創出にもつながるため、カジノの経済インパクトは極めて大きいと声高にいわれている。五輪誘致に成功した猪瀬都知事は、次に五輪とワンセットでお台場へのカジノ誘致を実現させたいのだ。

●各地で招致合戦過熱の兆し

 ところが、東京都の構想に真っ向から反対する人物が現れた。長崎県の大型リゾート施設ハウステンボスの澤田秀雄社長。旅行会社エイチ・アイ・エスの会長でもある。澤田社長は反対する理由について「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/6月8日号)のインタビューで「お台場にカジノをつくれば、日本は二等国になる」と語っている。

「カジノが首都に必要なのか。米国ではネバダ州のラスベガス、中国では北京から遠く離れたマカオ。フランスではパリから100キロ圏内にはカジノをつくってはいけない、という規制がある。ロシアではモスクワにもカジノをつくったが、後に禁止して大都市から離れた僻地にしか開設できないようにした。首都にカジノを置いてはいけない。東京にカジノを置いたら3~5年後、日本は確実に二等国になる」(同記事)

 一方、海外の投資家は東京でのカジノ建設を熱望している。東京五輪開催決定を受けた米シティグループの9月9日付リポートによると、「すでにカジノ運営会社4社が東京でのカジノに興味を示しており、政府は最初に(東京を含め)3カ所程度でカジノの営業を許可するのではないか」と予想している。また8月20日付のシティのリポートでは「日本は『東洋のラスベガス』と言われたマカオをアジア2位に引き落として、カジノによる収益をラスベガスの2倍の150億ドル(約1兆5000億円)まで上げることができる」との見通しを示している。海外の投資家が、東京でのカジノ解禁を絶好のビジネス・チャンスと見ている姿が浮び上がってくる。

 カジノ法案は年内に国会に提出される見込みだが、これは基本法であり、カジノ設備の詳細を定める実施法は来年度以降に審議される。さらにカジノ誘致を目指す自治体が作成した計画が国の承認を受けて、やっとカジノ設置地域が決まる。その後に施設の建設に取りかかり、東京五輪の2020年をメドに日本初のカジノがオープンするという段取りのようだ。