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生保会社のカモになる消費者たち~保険に入ってはいけない?裏側を元営業マンが告白

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※画像:『生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ』後田亨・大江英樹/小学館

 ついつい「安心料のつもり」で入りがちな生命保険。万一、自分が死亡した場合に残される家族のために、あるいは高度障害になったときに備えて、保険に入っておけば安心だと、毎月数万円の保険料を払い続けている。

 しかし、その「安心」感は保険会社につくられた罠なのかもしれない。実は加入者が負担する保険料には「保険金支払いに向けられるお金」以外に、「保険会社や代理店の運営経費(人件費や店舗費など)」が含まれているのだ。

 その経費率は20%台半ば。つまり、加入者に回される分配率は70%台ということになる。10万円を加入者が払っていたとしても、万一のときに加入者に分配されるのは7万5000円前後にすぎないのだ。

「(70%台という分配率は)あえてたとえれば競馬の還元率とほぼ同じです。決して高いとは思えません。ところが、大手保険会社の死亡保険では50%程度と試算されているものもあります。共有財産をつくるお金から半分“中抜き”しておいて『相互扶助』を標榜するのは随分な話と感じます。そもそもほとんどの生保では保険料の内訳が開示されていません。『皆で助け合う仕組み』に参加する際、どれだけの維持費がかかるのか、一切不明なまま、『安心料』と納得するのはおかしいでしょう」と『生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ』(後田亨・大江英樹/小学館)は指摘する。

 同書は、非合理的な判断をしてしまう人間のクセ、思い込みにつけこんだ商品を生命保険会社が発売している現実を明らかにする。

●保険は入らないほうがいい

 共著者の一人、後田氏は生命保険の有料相談を行う「保険相談室」代表で、2007年に『生命保険の罠』(講談社)を著して生保業界に波紋を呼んだ人物。日本生命で歩合給の営業職を10年間、その後、複数の生保の商品を扱う代理店で5年ほど営業を経験した保険業界のウラのウラを知る人物。

「保険は入らないに越したことはないのです。実際、保険に加入しなかったことで受ける経済的打撃を想定した時に不可欠と思えるのは『小さな子どもがいて貯蓄も少ない世帯主が、自身の万が一に備える保険』くらいです。入院保障は貯蓄で対応したほうがいいし、手数料が高い保険で資産形成を目論むのも間違い」(『生命保険の嘘~』)だという。

 後田氏が保険相談・販売の現場で感じたのは、多くの消費者が行う選択は極めて情緒的だということ。「おすすめの商品」を知りたがる人には、営業担当者は自分に入る手数料の高い商品を勧めるだけだし、「みんなが入る保険」に入りたがる人は、短時間で契約に至るために営業担当者はラクをする。自ら損をしようとしているようにしか思えない行動は、人の心や脳の中にある「合理的判断を妨げる何か」を解明する行動経済学に照らすと、簡単に説明ができる。

 そこで同書では、後田氏がこれまでに経験した非合理的な消費者の行動を、金融と行動経済学に詳しい大江氏が行動経済学の視点から解説している。

●無料相談のまやかし

 例えば、現在、「無料」相談窓口が大流行だ。「どこの保険会社にも属さない保険のプロ(ファイナンシャルプランナー)が、中立な立場から無料でアドバイスする」といったもので、「無料」相談窓口で消費者は複数社の生保プランの中から選択することが可能になると宣伝されているが、そのカラクリは商品を販売した保険会社から相談窓口に手数料が支払われるバックマージンビジネス、しかも販売実績が上がれば保険会社から支払われる手数料は大きくなる。

 最近、大手保険相談窓口業者が高い手数料目当てに特定の保険会社の商品の販売に注力していることが報じられたほどで、消費者の受けるイメージとは大きく異なるビジネスなのだ。

「現在は保険販売に携わっていません。(略)高い保険を売るほど報酬が増える立場で、買い手である消費者からの相談に応じるのは、不自然であり、利益相反が起こることも考えられるからです」(同書/後田氏)

『生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ』


生命保険の世界には、行動経済学を悪用していると感じる販売手法がたくさんある。その種明かしをすることで、消費者に今までとは違う視点を提供。保険の世界でよくある非合理的なエピソードを指摘し、それについて行動経済学に照らして解説する。

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