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生保会社のカモになる消費者たち~保険に入ってはいけない?裏側を元営業マンが告白

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 行動経済学からは「無料」相談窓口を「ゼロコストのコスト」として説明する。「価格がゼロというのは“感情の引き金”であり、“不合理な興奮の源”」なのだ。人間は「無料」と聞いた途端に、お金を支払うことで生じる「損をする」リスクから解放されてしまうために、冷静な判断を失って結果的には余分なものにお金を使ってしまう、というわけだ。

●複雑な商品をつくり、消費者を思考停止にさせる

 また、保険にはシンプルでわかりやすい商品が少ない。死亡保障、医療保障、介護保障などがセットになり、消費者は他の商品との比較がしにくいが、これも理由がある。

 行動経済学によれば、複雑な商品は「情報負荷と権威付け効果(権威服従原理)」と説明ができる。「さまざまな情報を一度に与えられると、人は判断できなくなる」(情報負荷)ために、思考停止に陥ってしまう。また、「複雑であることで、なんだかよくわからないけど、凄そう」と思わせる効果がある(権威付け効果)という。

「なぜ比較が難しい商品が多いのでしょうか。私はそのほうが保険会社にとって好都合だからではないかと考えています。『消費者がどの商品が「買い」なのか』と検討する気持ちを萎えさせることが目的になっているように感じるのです」(同書/後田氏)

 さらに、他社との単純比較がしにくくなり、価格競争が進みにくくなるのだ。

 それを裏付けるように、類似商品の比較はマネー誌やビジネス誌の編集部では事実上タブーと化しているという。

「(各社の商品を比較してコストパフォーマンスの良しあしを比較する)比較表を作ると『条件の設定によっては結果が変わる。読者の誤解を招くような記事は勘弁してほしい』などと保険会社からクレームが付くことがあるのだそうです」(同書/後田氏)

 比較することをあきらめたマネー誌やビジネス誌には、ファイナンシャルプランナーなどによる手数料目当ての発言ばかりが躍るようになるのだ。

 このほかにも、同書では「お祝い金」「掛け捨て」「学資保険」などの商品の嘘が明らかにされている。「不安」になった方は、保険の見直しが必要かもしれない。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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