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2ちゃん転載禁止で、危機迎えるまとめサイトの課題と今後~問われるコピーの是非と境界線

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(文=黒沼 透@torukuronuma/株式会社アクトゼロ)

2ちゃん転載禁止で、危機迎えるまとめサイトの課題と今後~問われるコピーの是非と境界線の画像1「インターネット匿名掲示板「2ちゃんねる」より」

 インターネット匿名掲示板2ちゃんねる」のトップページ画像は、初期の頃のようなツボ画像に変更されました。

「ハムスター速報」「アルファルファモザイク」「暇人速報」など、「2ちゃんねる」の人気スレッドをまとめて転載することで構成されている“2ちゃんねるまとめサイト”は、暇つぶしの定番コンテンツとして多くのユーザーに愛されています。しかし今、すべてのまとめサイト運営者たちは、サイト存続の危機に直面しています。今回は、まとめサイトの現状について検証します。

●管理体制の変更

 すべての始まりは、2月19日、「2ちゃんねる」の新管理人に就任したJimことジム・ワトキンス氏による、以下の声明から始まります。

「各関係者様 2chサーバーを確保しました。前の経営者は、2chの運営経費のための資金を十分な収入を獲得ことができなかったので、首にしました。1以前に、自律的に働かせましたが、その時は名誉を毀損されました。2chを維持するための十分な所得創出力を失われました。適切な管理次第、2chを再び動かすことができるでしょう。」(原文ママ<http://toro.2ch.net/test/read.cgi/win/9246366142/>)

「2ちゃんねる」の管理体制は、外からではわかりにくい部分も多く、どういった経緯でJimによる運営体制に移行したのかを、正確にうかがい知ることはできません。しかし、この声明以降、新管理人のJimは「2ちゃんねる」運営の表舞台で精力的に次々と新しいルールを制定していきます。

 一連の変化の中、今月に入り、ユーザー投票の結果「2ちゃんねるコンテンツの転載禁止」が主要な人気板で決定されていきます。これまで、まとめサイトで取り上げられることの多かった『ニュー速VIP』『なんでも実況J』(3月3日に禁止化)、さらには『ニュース速報+』(3月4日に禁止化)などの掲示板で転載禁止が決定され、その流れは「2ちゃんねる」全体へと広がりつつあります。

 まとめサイトの多くは、この決定を前に「2ちゃんねる」の代わりにTwitterをまとめる、自サイトに集まるコメントをまとめる、転載禁止になっていない板に活動の場を移す、転載OKを掲げる2ちゃんねるクローンサイト「オープン2ちゃんねる」をまとめる、更新を途絶え途方に暮れるなど、さまざまな試みを行うも、超大手のまとめサイト以外は総じて苦戦を強いられている様子が見て取れます。

●収益悪化とJimによる改善策

「2ちゃんねる」の運用収益は、サイト上の広告収入に加え、時間経過を経て非公開となった過去ログファイルを閲覧可能にする公式有料サービス「2ちゃんねるビューア(通称●/まる)」の利用料徴収などでまかなわれてきました。しかし昨年8月、このサービスのクレジットカード情報を含む利用者情報が漏洩し、サービス停止となってしまいました。

 これにより、悪化した収益構造を改善する方策を旧運営陣が取れなかったとして、Jimによる新体制へと移行されました。Jimは「2ちゃんねる」の今後の展開について、これまで非公開としていた過去ログを誰でも見られるように一般公開し、その過去ログから得られる広告収入を新たな収益源とすることを目指しています。そのために邪魔なのが、無許可でコンテンツをコピーして公開する「ログ速」などに代表される過去ログサイトや、転載を繰り返してトラフィックを集めるまとめサイトだったのです。

BusinessJournal編集部

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