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ドコモの新プラン、実は割高?楽天でんわ等の格安通話サービス+旧プランのほうがお得?

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「Thinkstock」より
 大手携帯電話通信(キャリア)各社より、2014年夏モデル端末の発表が相次いでいる。同時に、新たなキャリアサービスもいろいろ発表された。au(KDDI)は新しい電子マネーサービス「au WALLET」を発表。リアル店舗でも決済に利用できるプリペイド型サービスとして注目を集めるなど、今までとは少し違う切り口のサービスも出てきている。

 一方、大手3キャリアで共通している動きもいくつかある。現在よりも高速なLTE接続サービスの提供開始と、音声通話定額プランの提供についてだ。

 特にここ数カ月で注目されているのが、音声通話定額プランだろう。ソフトバンクが音声通話とパケット通信をセットにした「スマ放題」を発表した直後、NTTドコモが国内音声通話を定額にする「カケホーダイプラン」を発表。当初はソフトバンク側の提供予定時期のほうが早かったが、内容的にドコモのプランに見劣りしていたため、内容を改めて提供するとして開始時期が延期されるという一幕もあった。auからも近く、似たようなプランが発表されるとみられる。

 スマートフォン(スマホ)の料金プランにはフィーチャーフォンで当たり前に存在した「無料通話」の枠がなく、音声通話を行うと簡単に利用料金が跳ね上がってしまうことは以前より問題視されてきた。解決手段としてIP通話アプリや楽天でんわのような格安通話サービスを利用する手法が提案されていた中、キャリアが音声通話の需要を取り返すように打ち出してきたプランだけに内容が気になるところだが、本当に得になるプランなのだろうか。

●スマホの新プランは全体的に値上げ&通信容量削減

 例えば、すでにサービス内容と料金が明確になっている、ドコモの「カケホーダイプラン」を見てみよう。

 利用するためには、これまでの「タイプXiにねん」から乗り換えるかたちになり、パケット定額についても「Xiパケ・ホーダイ」の部分を別のデータ通信プランに切り替える必要がある。細かな料金計算については、以下表のとおりである。

 全体料金が安価になる組み合わせの、「タイプXiにねん+パケ・ホーダイライト」と「カケホーダイ+データSパック」を比較すると、月額の合計料金はわずかに新プランのほうが高いという程度だ。しかしデータ使用量もある程度確保したいユーザー向けの「タイプXiにねん+パケ・ホーダイフラット」と「カケホーダイ+データMパック」の比較になると、新プランのほうがはっきりと高いことがわかる。

 新プランはここから、25歳以下の場合には値引きや、長期ユーザーは値引きなどのサービスが用意されているが、最近は2年ごとにキャリアを移動している人も多いだけに、対象外となってしまう人は少なくないだろう。

 また、各プランでデータ通信量が抑えられていることにも注目したい。スマホでよく動画を見るような人は7GBのプランでさえ使い切ってしまうのに、そこから大きく割り引かれた2GBや5GBの容量では使いづらいのでは、との懸念がある。これまでの3GBか7GBという選択肢から、2GBか5GBという選択肢に恣意的に変えて、旧プランと新プランの直接比較ができないようにしている印象を受ける。

●「音声通話しまくる人」でないと損になる?

 新プランを使った場合、どういう人が得になるのかといえば、ドコモ契約者や家族以外と「音声通話しまくる人」だ。仕事で頻繁にいろいろな相手に音声通話をする、というのであれば確かに得になるだろう。

 しかし、これまでのプランでも定額化できていた、ドコモ同士や家族間の通話しかしないというのであれば、従来型「Xiトーク24+パケ・ホーダイライト(またはフラット)」という組み合わせのほうが安価にまとまる。

 ドコモ以外のユーザーと通話をする場合も、1カ月あたりの通話時間が短い場合には完全に損になる。定額サービスというのはそういうものだ。例えば、スマホはパケット料金を定額にするプランがほぼ契約必須となっているが、上限いっぱいまで使い切っている人はそれほど多くないだろう。非常に多く使う人の分を、ほとんど使わない人と一緒に頭割するからこそ、よく使う人にとって得になるわけだから、使わない人にとっては損でしかない。通話定額プランでは、音声通話でも同じ事が起こっている。

 音声通話の基本料だけを見た場合、「タイプXiにねん」と「パケホーダイ」の基本料の差額は1957円であるため、具体的に毎月何分通話するのが分岐点になるのかといえば「タイプXiにねん」の通話料金(20円/30秒)で計算すると、49分になる。「Xiトーク24」を使っている場合は、ドコモ以外への通話時間がどれだけかという部分で変化してくるが、もう少し長く通話するのでないと得にはならない。

 パケット利用量のことまで考えると、さらに複雑だ。家族間でパケット容量を融通できるシェアパックというのも登場しているが、このオプションを使うには回線ごとに500円ずつの料金がプラスされる。そして、この料金まで吸収して新プランが安価になるのは、家族全員がスマホを持ってどんどん使っている時だ。フィーチャーフォンユーザーが含まれていたり、あまり使わない人がいたりすると得になりづらいだけでなく、大損になるパターンも存在するのが怖いところだ。

●格安通話サービス+旧プランがお得?

 ドコモは新プランに対して、家族という単位を強く意識したものだとしている。確かに家族全員で加入し、その中に長期契約ユーザーがいる場合や、家族間でデータ通信量を融通するサービスをうまく活用できた場合にはそれなりに得になりそうだ。しかし単身者や、家族でキャリアを揃えていない場合には使いづらい。家族全員がデータ通信のヘビーユーザーでも困るだろう。

 重要なのは、新プランでは得になる人と損をする人がいる、ということだ。安易に音声通話し放題だ、と飛びついては損になりかねない。しかも秋からは旧プランへの移行ができなくなるというから、1度乗換えて数カ月使ってみたけれど元に戻したい、というような使い方も難しい。移行前に自分にとって得なのか損なのか、よく考えたいところだ。

 仕事で使う時など、IP電話のような品質ではなくキャリア回線を使った通話の品質が必要だという場合、例えば楽天でんわのような格安通話サービスと旧プランを併用する方法もある。特に通話時間が毎月長いわけではなく、使わない時にはまったく使わないというような人には有効な手段だ。

 楽天でんわは月額基本料金がないから、使用しなかった場合の毎月の料金は旧プランそのものと変わらない。通話品質はキャリア通話と同等で、専用アプリからかけるだけの手軽さだし、相手先への番号通知もしっかりしているから、仕事等で使いたい場合にも安心だ。

 ちなみに、旧プラン(「タイプXiにねん」+「パケ・ホーダイフラット」)と新プラン(「カケホーダイ」+「データMパック」)の価格差は最大で1257円。この1257円を楽天でんわで使った場合にどれだけ通話できるかというと、62分だ。このあたりのことも計算して、賢いプラン選択、サービス選択を行いたい。
(文=エースラッシュ)

※文中料金はすべて税別