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闘うジャーナリスト・佐々木奎一がゆく! ワーキングクラスの被抑圧者たち 第17回

芸能プロ社長、タレント脅迫裁判で慰謝料命令 「君は人生破滅。あらゆる手段使う」

文=佐々木奎一/ジャーナリスト
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 ニュースサイト「マイニュースジャパン」を中心に、企業のパワハラ問題や労働争議を追いかけ、常に弱者の立場に立った取材を続けるジャーナリストの佐々木奎一。独自のルートで取材した、企業裁判の渦中にある人々の声を世間に届ける!

 6月2日当サイト記事『芸能プロ社長、所属タレントの交際に激高し5000万円要求 執拗な威圧で裁判に』にて報じた通り、東京・渋谷の芸能プロダクション、バックアップ・プロモーション社長の八木康夫氏は、同社に所属していたグラビアタレント・山本早織に対し、交際中の男性と別れるか、違約金5000万円を支払うか、どちらかを選択するように迫った。

 懊悩した結果、山本は「タレント契約を解消する」と伝えたところ、八木氏の態度が一変し、「君が必要だ」「山本早織を失うのは耐えられない」「別れられる男はいない」などの文面のメールを送り、恋愛感情を爆発させて引きとめようとした。

 八木氏がそれらのメールを送信した翌日である2011年12月13日、二人は今後について話し合った。この時の会話の音源が、証拠として法廷に提出されている。

 その中で八木氏は、

「一生償わなきゃいけないくらいの罪を犯しているんだよ、君は」
「この間、和泉(同社所属タレントの和泉ゆか)と話した時に、『八木さん、山本に対して恋愛感情ありますよね』って言われた。当然あるよ」
「付き合うっていう言い方おかしいかもしれないけど、なんかしらの関係を持っていくことがまったく嫌でなければ、ある程度の冷静な話し合いができると思う」
「松金(以前、同社に所属していたタレント・松金ようこ)だって、最初、殺してやろうと思ったけど、月2回とか3回とか、わからないけど、顔合わせたりとか飲み食いに行く関係が続けば、気持ちも和らいでくる」

などと、脅すような言葉を使いつつ、契約解消を思いとどまるよう持ちかけた。それを山本が拒絶すると、

「辞めたくても絶対辞められないから」
「ストーカーと思われるか、私は彼女じゃないよと思われるかわからない。気持ち悪いと思われても不思議じゃない。それは重々わかってメールを送っている。でも自分の気持ちにはウソはつけない」

と、契約を継続させたいとの意思を示した。

●度重なる脅迫により、不安障害を発症

 この会話の1週間後、二人は再び話し合った。山本が、弁護士に違約金は発生しないことを確認したと伝えると、八木氏は激高し、脅迫とも取れる言葉を浴びせた。

佐々木奎一/ジャーナリスト

佐々木奎一/ジャーナリスト

「My News Japan」を中心に、「別冊宝島」や「SAPIO」「週刊ポスト」などで執筆するジャーナリスト。企業のパワハラや不当解雇などの労働問題を中心に、政治家の利権や原発問題に絡むメディアの問題なども取材をする。これまでに、「キユーピー」のパワハラ問題の追及や大企業の障害者雇用に関する問題提起、バンダイナムコの社員うつ病問題などを追及して話題となっている。

Twitter:@journalist_ssk

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