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スマホ、実は不人気?ガラケーのほうが安価&便利でいい?スマホの保有率が低いワケ

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「Thinkstock」より
 7月15日、総務省が「平成26年版情報通信白書」を発表した。白書中の『ICTの利用環境の変化』において、2014年3月末時点での世界各国のスマートフォン(スマホ)保有率について言及している。

 概要としては、日本に加えて米・英・仏・韓・シンガポール(星)の5カ国について統計を取ったところ、日本のスマホ保有率は低いことが判明したと述べているのだが、その内容を詳しく紹介しよう。

●日本でのスマホ保有率は低い?

 一部メディアで印象的な数字が報道されていたが、それは日本のスマホ保有率が53.5%というものだった。これを見て、残る46.5%はフィーチャーフォン(ガラケー)保有者だと考えるのは間違いだ。同じ統計でのガラケー保有率は28.7%となっている。このうち3.2%はスマホ、ガラケーを両方持っている人で、両方とも持っていないとした人が21.0%いた。

 つまり「日本で使われている携帯電話端末の半分強程度がスマホ」という解釈は間違いで「スマホだけを持っている人は、ガラケーだけを持っている人の2倍近くいる」が正しいということになる。最初の53.5%という数字だけを見て、スマホはたいして普及していないということはできないのだ。

 しかし、日本がスマホ大国なのかといえば、それも違う。各国のスマホ保有率を挙げると、米69.6%、英80.0%、仏71.6%、韓88.7%、星93.1%となる。調査対象となった6カ国の中では日本が最も低い。

 携帯電話契約数に対するスマホの比率は、世界全体では55%、日本は47%だというから、特に普及が進んでいる上記5カ国との比較だけでなくとも、少々日本での普及が遅れ気味なのは確かなのだろう。では、なぜ日本で普及が遅れているのだろうか?

●根強いガラケーユーザーの存在

 もう少し統計の話をしよう。ガラケーの保有率に着目すると、面白い傾向が見えてくる。

 ガラケーのみを持っている人は、米11.6%、英6.7%、仏7.1%、韓8.4%、星1.6%であるのに比べ、日本は25.5%と圧倒的に多い。

 他国に比べて日本ではスマホの普及開始時期が遅く、利用者が比較的若い層に偏っているという傾向もある。特に40代以上の利用率が低いようだ。

 このあたりで納得する人も多いのではないだろうか。新しいものにあまり興味をもたない高齢者でも、日本の場合は早くから携帯電話を利用していた人が多い。そして、40代以上のビジネスパーソンも仕事に便利だからとガラケーを使い続けている人は少なくない。

 もっと若い層でも、ガラケーを使っている人はそれほど珍しくはないはずだ。なぜ、日本ではガラケーの人気が根強いのだろうか?

●便利すぎるガラケー

 まず、日本のガラケーは海外の製品とは少々違う。ガラケーは「ガラパゴスケータイ」の略だ。エクアドルのガラパゴス諸島【編註:正式名称はコロン諸島】のように固有の進化を遂げてしまった日本の携帯電話を揶揄した言い方だ。

 しかし、この名前は本質を突いている。本当に海外とはまったく違う独自の進化を遂げてきた日本のガラケーは非常に高機能なのだ。

 テレビや電子マネー、防水といった日本では当たり前の機能が海外では珍しい。インターネットアクセスも、高性能なカメラ機能も、日本は世界的に見ても早くから導入してきた。

 スマホが海外で登場し始めた頃、「携帯電話でインターネットができる」「パソコンのメールが見られる」などと盛り上がったが、「そんなことは普通の携帯電話でできるじゃないか」というのが日本の反応だった。

 日本のガラケーとスマホの違いは、タッチパネルや画面サイズ、アプリを自由に追加できる、というあたりだろう。好きなアプリを多く入れて、遊びに仕事にと活用し、常時画面を見ている人にしてみれば、いまやスマホは手放せないものだろう。

 しかし、そのような多機能性を求めない人にとっては、本体が大きくなっただけ、というイメージでしかないのかもしれない。

●スマホは高くて使いづらい?

 何も変わらなかったというだけならよいが、スマホに替えたら使いづらくなった、という声も少なくない。

 例えば、物理的なボタンがないから、文字を打つ時にはずっと画面を見ていなくてはならない。いくら慣れても、ガラケーのように短時間でメールを打つことは難しい。

 また、ユーザーが自分で設定しなければならないことが多い。自分のやろうとすることに適したアプリを探し出してインストールし、時には設定しなければならない。機械に弱い人にしてみれば、ストレスがかかる作業だ。購入時にショップカウンターで係の人に設定をしてもらった後は、基本的に何もせずに使っていればよかったガラケーとは違う。

 そして月額利用料金が高い。スマホには「通話中心」「待ち受け中心」などの料金プランがない。パケット料金も、使っても使わなくても毎月同じ額を払わなければならない。

 最大のネックは、バッテリー問題だ。一度の充電で使い続けられる時間がとても短い。1時間もいじっていれば、30~40%ほど消費してしまう。通勤時間中に電車でスマホを利用している人は、会社に着いた時点でバッテリー残量が半分ほどになっていることもあるだろう。

 こうした数々の面倒で不便な点を考慮しても使いたいほどの魅力がスマホにあるのかと考えると、高性能な日本のガラケーは、「私にはガラケーで十分」と思わせてくれる。

●スマホとガラケーは、どっちが優れている?

 スマホとガラケーを比較した時、どちらが優れているのかを断定するのは難しい。少なくとも、多機能であるからスマホのほうが圧倒的に優れている、と断言できないのは確かだ。どちらにもメリットとデメリットがあるからだ。

 現状では、おそらく最も賢い使い方としては、安価な月額料金で利用でき、かつ自分に必要な機能を備えたガラケーを持ちつつ、状況に応じてタブレットを併用することだろう。自宅や会社など、限られた場所でしかタブレットを使わないならば、Wi-Fi限定利用として月額利用料金がかからないようにすることもできる。外出先でもよく利用するとしても、「テザリング機能」を備えたガラケーにすれば、ガラケーをルーターとしてWi-Fiが利用できる。月額数百円で利用できる公衆無線LANサービスを使ってもよい。

 最近再注目されているガラケーが、どのように進化していくのかを気にしつつ、発展途上なスマホが、今後どこまで使いやすいものになるのか動向を見守りたい。

 ここで、現状で筆者が理想とする携帯電話の条件を挙げてみる。

 まず、一度の充電で、特に節約せずに日中使いまくっても3日くらいもつバッテリーを搭載してほしい。片手で持てる程度のサイズで、大量にアプリを入れても、写真や動画を撮りまくっても不足しないストレージ容量と、いろいろなアプリを常駐させても動きが重くならない処理性能は必須だ。もちろん高性能なカメラと高速通信は最低限なければならない。初心者でも戸惑うことなく、いろいろな機能が使えるのも重要なポイントだ。

 そんな理想の端末に近いのはスマホなのかガラケーなのかと考えると、どうもガラケーのほうが近いように思える。今のガラケーに、App StoreやGoogle Playほどではなくとも、ある程度自由度のあるアプリマーケットが登場して、アプリやゲームを自由にダウンロードできるようになれば、ほとんど不満はなくなる。

 だからといって、今の段階でガラケーの勝ちとはならないし、そんな端末ができたからといって今のスマホと同じような料金体系になってしまってはありがたみがない。しかし、とりあえずスマホには最先端の端末として、もうちょっと「誰でも簡単に高機能が使える」くらいまでは実現してほしいものだ。
(文=エースラッシュ)