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「証券会社はさらに自社のサーバの一部を機関投資家に貸し出している。通称“腹貸し”と呼ばれるサービスにより、HFT業者のような一部の機関投資家が東証のシステムに、証券会社のサーバを介して、ほぼ直接つないで超高速取引を実現している」(同特集より)
個人投資家が証券会社から「池袋アクセスポイント」を通じ、東証取引システムにアクセスしているのに対して、HFT業者は東証取引システムに事実上、ほぼ直接アクセスし取引ができてしまうのだ。このため、安く買って高く売るという利ザヤ取引は、その多くをHFT業者に奪われてしまい、同様の手法を採用していた地場ディーラーや、デイトレーダーは撤退を余儀なくされているという。
さらに「個人投資家に追い打ちをかけたのが、今年7月22日の取引制度の変更である。一部の大型株で、呼び値(株価の刻み)を縮小し、10銭単位や50銭単位で取引できるようにした」ことだ。「個人投資家からすれば、小数点以下まで表示される株価に対応しなければならず『HFT優遇か』と不満が噴出している」(同特集より)。このため、呼び値縮小の対象銘柄を個人投資家は敬遠、中小型株に移行しつつあるという。
こうした一連のHFT業者優遇の動きを、東証は「取引の活性化」のための措置としているようだ。いまや東証も日経平均株価も、日本株保有比率3割、売買代金では6~7割を占めている海外投資家が中心になりつつあるようだ。鉄火場化した株式市場に迫った「ダイヤモンド」の秀逸な取材記事だ。
(文=松井克明/CFP)
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