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不動産業界に異変?三菱が約35年ぶりに首位陥落、マンション急失速で業界全体に暗雲

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三菱地所本店が所在する大手町ビル(「Wikipedia」より/Lunatic artemis)
 三井不動産と三菱地所の株式時価総額(株価×発行済み株式数)トップ争いが不動産業界の話題となっている。

 異変が生じたのは9月5日。三井不動産の時価総額が前日比微増の3兆3981億円だったのに対し、三菱地所は1.5%減の3兆3939億円。わずか42億円とはいえ、不動産業界の首位が入れ替わり、逆転は1980年以降で初めてとあって業界内で話題を呼んだ。だが、三菱地所も負けてはいない。9月30日の時価総額は3兆4321億円で、三井不動産の3兆3306億円を再び逆転した。抜きつ抜かれつの激しいデッドヒートの決着はつくのか。

 不動産デベロッパーは、巨額資金を投じて開発したビルや商業施設、マンションを企業・個人へ賃貸・販売などすることで収益を上げ、その資金を元手に新たな不動産開発を行うという事業モデルだ。

 三井不動産は売り上げ規模トップのリーディングカンパニーで、オフィスと商業施設の賃貸、マンション販売でバランスよく利益を稼いでいる。2015年3月期の売上高は前期比1.6%増の1兆5400億円、営業利益は6.0%増の1830億円を予想しており、ともに過去最高を更新する見込みだ。今夏に公募増資などで約3300億円を調達しており、東京・日本橋地区の再開発計画のほか、20年の東京五輪を控え、今後も再開発案件が増えるとの期待から同社株が買われている。

 一方、三菱地所は利益面で伸び悩んでいる。15年3月期の売上高は同0.3%増の1兆790億円、営業利益は16.9%減の1340億円を見込んでおり、3期連続で営業利益は三井不動産を下回る見通しだ。売上高に続いて営業利益でも負け、時価総額でも逆転を許した。

 三菱地所の最大の強みは、「東京・丸の内の大家」として莫大な含み資産を有していることだ。14年3月期末の賃貸等不動産の時価は5兆3956億円。この時価と決算書に計上している簿価との差額が含み益だが、含み益は2兆964億円に達しており、三井不動産(時価3兆4726億円、含み益1兆2159億円)を大きく上回る。

 東京・虎ノ門や六本木地区で大型オフィスビルの開業が相次ぎ、相対的に丸の内の優位性が薄れつつあり、それが三菱地所のウイークポイントだと指摘されている。三井不動産のほうが利益拡大の余地が大きいと判断され、株価を押し上げた。

●マンション販売が急失速


 しかし、ここにきて三井不動産の株価上昇に急ブレーキがかかりつつある。首都圏のマンション販売に暗雲が立ち込めてきたからだ。不動産経済研究所がまとめた8月の首都圏マンション発売戸数は、前年同月比49.1%減の2110戸となった。前年比の減少は7カ月連続であり、減少幅はリーマン・ショック直後の08年9月(53.3%減)以来5年11カ月ぶりの高い水準となった。