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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」(12月15日)

ヨードうがい薬でうがいをすると風邪をひきやすくなる?水道水が一番効果的?

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「Thinkstock」より
 日に日に寒さが増し、空気も乾燥してきており、風邪が流行する季節となりました。風邪の原因は9割がウイルスといわれています。それがのどや鼻などの粘膜に感染して増殖し、炎症を起こします。その結果、のど荒れや鼻水、クシャミ、発熱、頭痛などの風邪の諸症状が現れるのです。

 そこで、予防のためにうがいや手洗いの励行が叫ばれています。その際、単に水でうがいをするのではなく、ヨードうがい薬でうがいをしている人も少なくないと思います。ヨードうがい薬は、ウイルスにも効果があるとされており、テレビCMでもそのことが盛んに宣伝されています。しかし、ヨードうがい薬で毎日うがいをすると、かえって風邪をひきやすくなってしまうようなのです。

 市販されているヨードうがい薬は「イソジン」(明治)など何種類かありますが、基本的にはどれも同じ成分です。溶液1ml中にポピドンヨードという有効成分を70mg(約7%)含んでいます。そのほかは、エタノール、l-メントール、サッカリンNa、香料などの薬用添加物が使われています。薬用添加物は製品によってやや違いがありますが、有効成分はどの製品も変わりません。ちなみに、有効成分のポピドンヨードはヨウ素(ヨード)をポリビニルピロリドンという化学物質に結合させたもので、日本薬局方に収載された医薬品です。

 ポピドンヨードは、ヨウ素を分離してそれが細菌やウイルス、真菌(カビ)に対して殺菌効果を示します。これまでの研究では、エイズウイルスやB型肝炎ウイルスにも有効であることがわかっています。ところが、京都大学保健管理センター(現・健康科学センター)の川村孝教授の研究グループが行った調査によれば、このヨウ素は両刃の剣で、のどの粘膜の細胞をも傷つけてしまうようなのです。その結果、かえって風邪をひきやすくなってしまうのです。

 同グループでは2002~03年の冬季、北海道から九州まで全国18地域でボランティア387名を募り、くじ引きで「ヨード液うがい群」「水うがい群」「特にうがいをしない群」の3グループに分けました。そして、それぞれのうがい行動を2カ月間行ってもらい、風邪の発症率を調べたのです。

「ヨード液うがい群」の人々は、説明書に従い、溶液2~4mlを水約60mlで薄めて1日に3回以上うがいしました。一方、「水うがい群」は、水約60mlで1日3回以上うがいをしました。なお、1日の平均うがい回数はどちらも3.7回でした。

●意外な結果


 その結果は、まったく意外なものでした。まず「特にうがいをしない群」ですが、風邪の発症率は、1カ月あたり100人中26.4人でした。およそ4人に1人が発症していることになります。