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ムーディーズの日本国債格下げ、財務省謀略説広がる 消費再増税のための売国行為か

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財務省庁舎(「Wikipedia」より/っ)
 米格付け会社ムーディーズによる日本国債格下げについて、金融業界では「あれは財務省が仕掛けたもの」との臆測が広がっている。

 財務省は今年10月に消費増税を実施するよう安倍晋三首相に働きかけてきたが、それは聞き入れられなかった。そのため、「10%への増税を約束期限にきちんと実行しないと、日本国債の信認を失う」と主張してきた財務省が、増税延期の影響を深刻に見せるために「早期の格下げをムーディーズ側に促した」(市場関係者)とみられているのだ。

 14年12月1日、ムーディーズが日本国債の格付けを従来の「Aa3」から「A1」に一段階引き下げたのは、同年4月に消費税を5%から8%に引き上げたことで景気が停滞しているのに加え、再増税延期によって日本の財政に対する信認が揺らぐ可能性がある――と判断したためだ。一方で、「日銀が国債を大量に購入しており、当面は債券市場には影響はない」とも判断し、先行きの見通しは「安定的」とした。

 前出の市場関係者は、次のように指摘する。

「格付け会社が政府発行の国債の格付けを変更すれば、なんらかの政治的な影響が生じます。従って、その国の政治日程等のタイミングを見ながら、なるべく影響の少ない時期を探して格付け変更を発表するのが通例です。しかしムーディーズは今回、衆議院議員選挙の公示前日という政治的には最悪のタイミングで格下げを断行しました。これは『日本の財務当局と、なんらかのやりとりがあった上での格付け変更に間違いない』との見方が広がり、『格下げ=財務省謀略説』が流れる原因になっています」

 別の市場関係者は、財務省には「消費増税を二度と延期させない」とのメッセージを官邸に送る狙いがあったのではないかとみており、その理由をこう説明する。

「今回の再増税延期は景気悪化が理由ではあるが、延期が決まった直後に格下げされれば、首相側に次は必ず増税を実施させる圧力になるからです」

 今回の格下げについて安倍首相は「アベノミクスは海外からも評価されており、影響はない」と再三にわたり強調した。翌日の金融市場も冷静な反応を見せ、相場に混乱はなかった。

 しかし、もし格下げで国債価格が急落(逆に金利は急騰)すれば、株価も暴落しかねない危うい状況だったことは間違いない。衆院選の行方に影響を与える可能性すらあったわけで、本当に財務省が格下げに関与していたとなれば、「売国行為といわれても仕方のない危険行為」(市場関係者)である。

 財務省謀略説について同省幹部は「そんなことがあるわけない」と全面否定している。こうした噂話が出たこと自体、首相官邸と財務省が消費増税をめぐって緊張関係にあることを
うかがわせるが、衆院選に自民党が圧勝し力関係は圧倒的に官邸が優位に立った。財務省は面従腹背で臨むとみられるが、反攻に出るのは時間の問題との見方も強い。
(文=編集部)