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切り刻まれるソニー、「大手電機」卒業へ 平井社長退任とスマホ&テレビ撤退へ期待高まる

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ソニー「ウォークマン」
 ソニーはいったい、どこへ向かおうとしているのか――。

 ソニーは2月18日、自らを世界企業に飛躍させた「ウォークマン」を擁するビデオ&サウンド事業を10月に本体から切り離して分社化すると発表した。同事業の年間売上高は3800億円で、同社エレクトロニクス事業の7%を占める。1979年に発売されたウォークマンは井深大、盛田昭夫の2人の創業者のこだわりや経営感覚が発揮された商品だ。「海外に行く飛行機の中で、良い音が聴きたい」という井深氏の言葉が開発のきっかけになった。盛田氏が「再生機能だけでいい」と指示し発売を早め、世界的なヒット商品になった。

 ソニーは赤字事業を分社化して止血するだけではない。分社の対象を、黒字経営を続けているAV機器やデバイス、デジタルカメラに広げる。平井一夫社長は18日の会見で「組織の階層を減らし、意思決定を早め、結果・説明責任を明確にする」との狙いを明らかにした。

 スマートフォン(スマホ)事業は販売地域や機種を絞り込み2100人規模の人員削減を進めているが、中国新興メーカーの台頭が著しく、利益貢献の見通しは立たない。平井氏は「市場環境を見ながら、売却や提携といった戦略を大胆に考えないといけない」と語り、「スマホ事業の出口戦略に言及したもの」(市場関係者)と受け止められている。

 ソニーは昨年7月、今後も低成長が予想されるテレビ事業をソニービジュアルプロダクツに移管・分社化したが、「売却を一切考えないというわけではない」と含みを残した。2兆円から8300億円まで年間売上高を落してきたため、「テレビ事業の売却に踏み出せば株価はもっと上がる」(市場関係者)とみられている。ちなみに競合の東芝はすでに海外テレビ事業からの撤退を決めている。

●新中期経営計画


 ソニーが18日に発表した2015~17年度の新中期経営計画で今後の収益源と位置づけたのは、半導体、ゲーム機、映画、音楽の4分野だ。半導体はデジタルカメラの心臓部であるイメージセンサーと呼ばれる画像処理用デバイスで、自動運転関連や医療分野の用途を開拓する。経営資源を集中投資し、利益拡大を目指す成長牽引領域として以下の3事業を挙げた。


(1)家庭用ゲーム機・プレイステーション関連の「ゲーム&ネットワークサービス」
(2)映画や音楽などの「エンターテインメント」
(3)画像センサーなどの「デバイス」

 今回発表された新中計前の12~14年度中計は未達に終わり、15年3月期決算では上場以来初の無配に転落した。平井氏は経営責任について、18日の会見で次のように語った。