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食中毒や異物混入、なぜ発生?和式トイレでズボン汚染、作業着の自宅持ち帰り…

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「Thinkstock」より
 2013年11月から12月にかけて、アクリフーズ(現・マルハニチロ)群馬工場で製造された冷凍食品に農薬が混入され、14年1月に同社の契約社員が逮捕されました。また、昨年1月には静岡県浜松市の小学校給食で1000人を超えるノロウイルスによる食中毒が発生するなど、最近は日本の食品業界の安全性を揺るがす事件・事故が起きています。

 冷凍食品の農薬混入事件を鑑みると、従業員による異物混入が行えないような管理体制の構築が必要な時期に来ているのではないかと思います。また、給食の食中毒では、ノロウイルスを持っていた従業員が、加熱後のパンを検品する際にウイルスを付着させてしまったことが原因とされています。ウイルスはトイレでも見つかっており、従業員がトイレで用を足した後に十分な手洗いをせずに作業を開始したことで、食中毒が発生してしまったと見られています。

 学校で子供たちが口にする食品については特に、ノロウイルスなどに汚染されないような管理体制が必要です。仮に、トイレで手を洗わない従業員がいたとしても、ウイルスが加熱後の食品に付着しないような対策を取るべきでしょう。

 食中毒などが起きた場合には、謝罪などの事後対応をすることも大切ですが、食品工場の責任者は、24時間365日、工場内で製造している製品に異常を発生させないためにはどうすればいいか、考えるべきです。工場長など、製造責任者の給料が一般従業員よりも高いのは偉いからではなく、常に工場の存続のために動いているからだと、筆者は思います。

 食品工場の責任者に、経理など他分野の出身で、食品の製造管理に詳しくない人が就任するケースもありますが、やはり製造責任者は最低限の知識を身につけるべきだと思います。ただし、いくら知識があっても防ぐことができないのが、従業員などによる異物や化学薬品の混入です。

 食中毒を予防するための一般的な管理と、そういった人為的な要因を防ぐ「フードディフェンス」の考え方は、まったく異なります。アメリカの品質管理関係者の話では、発生する異物混入のほとんどは、悪意を持った工場内の関係者によるものだそうです。そのため、仮にそういった従業員が工場内にいたとしても、異物混入ができないような管理体制を作る必要がある、と力説していました。

 日本の工場であっても、今は日本語があまり流暢でない外国人が働いているケースもあります。また、日本人の場合も「説明しないでもわかるはずだ」「これぐらいは常識だろう」と、十分な指導のないまま現場の作業に就かせることもあるでしょう。

 例えば、トイレでの手の洗い方についても、十分な説明がない工場は多いと思います。「なぜ、手を洗う必要があるのか」「トイレで洗い、作業に入る前にもう一度手を洗うのはなぜか」「手を洗っても手袋をするのはなぜか」といったことを、従業員が理解するまで説明を行うことが大切です。