NEW
大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

アップル、驚異の利益独占 スマホメーカー全体の9割 シェア1位のサムスン退潮鮮明

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アップルのiPhone
 米アップルは2015年4-6月期の売上高が前年同期比32.5%増の496億ドル(約6兆円)、純利益が37.8%増の107億ドル(約1.3兆円)となったことを発表しました。伸び率も収益性も文句なしで、14年9月に発売したiPhone 6とiPhone 6 Plusの好調ぶりを物語る立派な決算内容です。

 ところが、その決算発表を受けてアップルの株価は上がるどころか、発表翌日の米国株式市場で急落してしまったのです。時価総額世界トップの座は揺るぎないとしても、そのうち320億ドル(約3.8兆円)が吹き飛んでしまうという事態が起こったのです。

 iPhoneの販売台数が前年同期の35%増となり、iPhone 6とiPhone 6 Plusが成功したにもかかわらず、アナリストの期待を下回った販売台数だったこと、さらにApple Watchが予想以上に売れているとしたものの具体的な販売台数を発表しなかったことが失望を呼んだといわれています。

 ポストiPhoneを担う新たな成長エンジンとして期待されていたiPadの売上減が続いおり、それゆえにApple WatchがiPadに替わる成長エンジンとなるのかどうかに、市場の関心が集まっていました。

驚くべき収益力


 今回の決算発表をめぐり注目すべきもうひとつの点は、発表に先立って米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えたスマートフォン(スマホ)での驚くべきアップルの収益力です

 世界で1000社前後の企業がスマホを製造しているなかで、営業利益はアップル1社がほぼ独占。 スマホメーカー上位8社の営業利益の合計に占めるアップルの割合は、15年1-3月期に前年同期の65%からさらに拡大して 92%にまでなったといいます(カナダ投資銀行の調査結果より)。そして、この15年1-3月期に出荷数量でトップに返り咲いた韓国サムスンの営業利益は、業界全体の15%にすぎなかったのです。両社を合わせると100%を超えるのは、それだけ赤字のメーカーが多いからです。

 出荷数量とシェアでアップルに差をつけたはずのサムスンではなく、アップルが利益を独占したことは、ライバルよりも少しでも多く売り、より高いシェアをとれば自ずと利益はついてくる「規模の経済」の原理では説明がつかない事態が起こっているということでしょう。

 このアップルのずば抜けた高収益力の要因として、販売価格を挙げる指摘が多いです。前出のウォール・ストリート・ジャーナル記事によれば、スマホの通信サービス料金を含まない平均販売価格(ASP)は、アップルが687ドル、アンドロイドが254ドル、中国シャオミが220ドルとなっています(14年第4四半期)。つまり、アップルのiPhoneはアンドロイド端末の約2.7倍で売られているのです。