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政府の農協改革、裏に米国の強力な圧力が発覚 狙いは農協市場の開放

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JAビル(「Wikipedia」より/Jo)
 安倍内閣が岩盤規制に穴を開けるとしてその象徴に挙げられていた農協改革をめぐり、農協法等の一部改正案が28日国会で可決された。本改正案で特徴的な点は、世界的にも協同組合として規模的・経営的に模範とされている日本の農協を株式会社化できる規定を盛り込むとともに、全国農業協同組合連合会(JA全農)と経済農業協同組合連合会(経済連)についても同様の規定を盛り込んだことである。

 協同組合は相互扶助を基本原則としており、利益追求が第一である株式会社とはまったくその組織原理を異にしている。にもかかわらず、農協や全農、経済連が株式会社になることができる規定を農協法に入れる狙いはなんなのか――。

在日米国商工会議所の意見書


 実は農林水産省は、今回の改正案でJAバンク、JA共済も株式会社化できる規定を導入しようとしていた。しかし、間に合わず今回は見送りとなり、5年後の改正に持ち越しとなった。このJAバンクとJA共済の株式会社化こそが、政府にとって農協の株式会社化の最終目標なのである。

 JAバンクは、農協と信用農協、農林中央金庫で構成され、預金残高は90兆円を超え、みずほ銀行を超え国内2位である。また、農協共済は資産52兆円、保有契約高289兆円で国内3位となっている。これだけの規模でありながら組織形態は協同組合で、法人税も軽減税率が適用される。

 また、株式会社でないため、株式保有による経営介入もできないし、買収もできない。これに対して、民間企業との競争条件の同一性を要求しているのが、米国政府と米国金融、保険の多国籍企業である。

 在日米国商工会議所は、米国政府の通商代表部(USTR)や米国商工会議所とも連携している、著名な米国多国籍企業で構成員される商工団体である。意見書をまとめ、日本政府に対して絶えず圧力をかけている。今回の農協改革にも、意見書で次のような見解を明らかにしている。

「J Aグループは、日本の農業を強化し、かつ日本の経済成長に資するかたちで組織改革を行うべき」
「JAグループの金融事業は、金融庁の規制を受けないことによって利益を得ている」
「JAグループの金融事業と、日本において事業を行っているほかの金融機関との間に規制面での平等な競争環境を確立し、JAグループの顧客が金融庁規制下にある会社の顧客と同じ水準の保護を受けるために、JAグループの金融事業を金融庁規制下にある金融機関と同等の規制下に置くよう要請する」

 さらに、JA共済についても「日本政府は国際通商上の日本の責務に従い、共済を外資系保険会社と同等の規制下に置くべきである」との意見書を発表している。