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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

なぜキミは大学に入るのか?4年間を無駄に過ごし、企業からまったく相手にされない人達

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
なぜキミは大学に入るのか?4年間を無駄に過ごし、企業からまったく相手にされない人達の画像1「Thinkstock」より

 大学受験生にとっては重要な季節といわれる夏を超え、いよいよ受験本番を意識し出す時期になってきた。そんな時期だからこそ、受験生の皆さんには一度考えてほしい。

「なぜ高額な学費を払い、つらい受験勉強を乗り越えて大学に入るのか?」

 実は商品やサービスの「ヒットの正体」は個人でも同じだという視点から、この問いについて考えてみたい。

「まず、大学に入ること」が目標という不純な理由

 
 よく聞くのは「いい大学に行かなければ就職できなそう」という意見である。いい大学に進学しなければ企業の採用試験で足切りにあってしまうから、なかなか職に就けない今だからこそ学歴というアドバンテージは持っておきたいから――。このように明確な理由がなく、「なんとなく」や「周りがそうだから」といった理由が最近多くなっているように感じる。

 つまり、いい大学に入ればいい企業に入れるという都市伝説が蔓延しているのだ。そのせいで、いい大学に入ることが目標となってしまい、「大学で何を学ぶか」「大学で何を得るか」「大学で将来を考えること」を意識していないのだ。「あの大学のネームバリューが得られればいいから、学部なんてなんでもいい」「全部受けて受かったところに入ろう」などが最たる例である。

企業側の視点

 しかし、企業側の視点はまったく違う、なぜなら企業は株主のために利益を稼ぎ出すことが必須だからだ。利益を生み出さない人材は必要ないし、経費がもったいない。採用する側は“なんちゃって大学生”など欲しくない。目標を持たずに4年間過ごした生徒は、どれほど頭がいい大学に所属していようと現実的には採用したくはないのである。

「社会に出る前に遊んでおきたいから」という理由もよく聞かれるが、4年間も遊びほうけているだけでは、大学に支払う費用(学費)の無駄だ。企業は頭が良くても大学4年間で何も得られなかった生徒よりも、たとえ成績や偏差値が低くても、ちゃんとした明確な目的を持ち、一所懸命になり何かを成し遂げた学生、チャレンジ精神を持った学生を採用したいのだ。

 別に勉学にだけ集中するべきだというわけではない。サークル活動でもいいし、留学などの制度を利用してもいい。とにかく何か目標をもち、大学生活で誇れる過去をつくるべきである。

 タイムマシンが発明されていない現在では、過去をつくることができないので、過去の実績をつくることはとても重要なことなのだ。そもそも、そこそこいい大学の人なんていっぱいいる。その中で落としあいの面接を勝ち抜くためには、他人とは違う、自分だけの誇れるものをつくらなければ金太郎飴になるだけだ。企業は学校とは違う世界だからだ。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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