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お歳暮商戦、キャンセル続出の異常事態!ハム等の加工肉に発がん性発覚で甚大な影響

文=編集部
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お歳暮商戦、キャンセル続出の異常事態!ハム等の加工肉に発がん性発覚で甚大な影響の画像1「Thinkstock」より
 ハム・ソーセージ業界は、お歳暮商戦の最中に大きな災難に見舞われた。

 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC、本部フランス・リヨン)が10月、ソーセージやベーコンなどの加工肉について「発がん性が十分認められ、大腸がんになるリスクがある」との調査結果を発表した。発がん性の評価5段階のうち、喫煙と同じ最も高いグループ1に、ハム・ソーセージなど保存性を高める加工をした肉(加工肉)を分類した。1日継続して50グラム摂取するごとに、大腸がんのリスクが17%増加すると指摘。牛や豚などの赤肉についても、発がん性の恐れがあるグループ2Aに当たると判定した。

 世界のメディアは、「IARCの専門家が『消費量によってがんが発生するリスクが高まる』と声明を出し、消費者に『食べすぎないよう』警告した」と一斉に報じた。50グラムはソーセージなら2~3本、ハムでも3~4枚程度だ。欧米では、この程度の量は常に食べている。

 この調査結果に、北米の食肉業界団体などが猛反発。「データを歪曲している」(北米食肉協会)、「怖がることはない」(ドイツ農相)、「お笑い草」(オーストラリア農相)など、主に加工肉の生産大国で反発が強かった。これを受け、WHOは「一切食べないように求めているわけではない」と弁明に追われた。日本でも国立がん研究センターは、日本人向けの解説を別途公表し、「日本人が加工肉や赤肉の摂取で大腸がんを発症する恐れは、ほとんどないか、あっても極めて小さい」とした。

 だが、消費者には「毎日50グラムのハム・ソーセージを食べれば、がんになる」という情報が刷り込まれた。専門家が「日本人の摂取量では心配はない」と打ち消しても、その刷り込みが消費者の行動に与える影響は小さくない。

ハムのギフト販売が2割減

 この一連の騒動は、お歳暮商戦が始まったばかりのタイミングに重なり、贈答用のハム・ソーセージの売り上げを直撃。食肉業界紙の日本農業新聞11月20日付けは、次のように報じている。

「11月初旬、東武百貨店池袋店(東京都豊島区)で、歳暮向けの高級ハムのキャンセルが相次いだ。ハム・精肉商品は例年、歳暮用の売り上げの約2割を占め、一番人気だ。10月下旬から催事場で歳暮用商品の販売を始めているが、ハム・ソーセージの1カ月間の売り上げは、前年同期を大きく下回る。松屋銀座は、11月6日から歳暮商品の販売を始めた。約10日間の販売期間で、ハムはギフト商品の売り上げが前年同期より約2割減った」

BusinessJournal編集部

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