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JMR生活総合研究所「消費と会社の戦略を読む」

セブン&アイの柱「オムニ7」、失敗か…アマゾンや楽天に圧倒的敗北、「閉鎖性」解消がカギ

文=舩木龍三/JMR生活総合研究所、ビジネス・ディベロップメント・マネジャー

オムニセブンの成功条件は何か

 オムニセブンが成功するためには、どうすればよいのだろうか。最大の問題は、セブン&アイHD内で運営していることにある。グループ内でのビジネスにとどまっている限り、アマゾンや楽天を上回る顧客サービスや買物体験を提供することはできないだろう。取扱アイテム数の圧倒的な差は、選ぶ楽しさやワンストップショッピング性に影響し、顧客の利用意向や満足度を左右するからだ。

 よって、セブン&アイHDというクローズドなサービスから、オープンなプラットフォーム型ECサイトへと転換することが必要だ。たとえば、ユニクロ商品のセブン-イレブンでの店頭受取りは想定以上に多かったという。この店頭受取り無料という武器を生かすには、グループの壁を突破しなければならない。ネットとリアルの融合で、セブン-イレブン店舗網というリアルが持つ強みが生きるのは、ロングテール(販売機会の少ない商品も幅広く取り揃えること)の品揃えができたときにある。

 2016年度第1四半期決算発表で、セブン&アイHDの井阪隆一社長は、「グループの目指す方向性 3本の柱」のひとつとして「オムニチャネル戦略の推進(見直し)」をあげている。現在は、ユーザービリティテスト・ビジネスモデル監査中とし、「客観的意見も踏まえ、抜本的な見直しを検討中」と現在の戦略の見直しを明言した。具体的な計画は上期決算説明会で公表する予定だ。オムニセブンの戦略転換が図れるか、今後も注目すべき動きである。
(文=舩木龍三/JMR生活総合研究所、ビジネス・ディベロップメント・マネジャー)

舩木龍三/JMR生活総合研究所、ビジネス・ディベロップメント・マネジャー

舩木龍三/JMR生活総合研究所、ビジネス・ディベロップメント・マネジャー

JMR生活総合研究所

 生活者の総合研究に基づいて、新しい事実を発見し、その事実から戦略を組み立て、経験を生かしたコンサルティングを通じて、クライアントの問題解決を行う。1991年に設立してから今日までの約25年の間に、年間平均250、延べ5000のテーマに取り組んできた実績を持つ。主たる領域は、食品、飲料・酒、化粧品・日用雑貨、輸送機器、家電・情報通信、流通など生活者と接点を持つ業界。日本を代表する企業のマーケティング課題のソリューション(解決)に取り組んでいる。

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