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銀行とファンドのマネーゲームの道具にされた雪国まいたけ、ファンドが2年で株売却

文=編集部
銀行とファンドのマネーゲームの道具にされた雪国まいたけ、ファンドが2年で株売却の画像1雪国まいたけ本社(「Wikipedia」より)

 コメ卸最大手の神明は、キノコ大手の雪国まいたけの発行済み株式の49%を間接取得する。9月に米投資ファンドのベインキャピタルが51%、神明が49%を出資して持ち株会社を設立した後、ベインが保有する全株式を持ち株会社に移管する。神明は雪国まいたけに取締役を派遣し、3年後をめどに新規株式公開(IPO)を目指すとしている。

 現在の雪国まいたけは、ベインの100%出資で資本金は1億円。連結売上高は300億円。ベインは保有株の神明への売却と再上場によって、雪国まいたけに投下した資金を全額回収する。神明への売却金額は公表されていない。

 神明は神戸市に本社を置く未上場企業。コメ卸の最大手で、自社ブランド「あかふじ米」などを扱う。2017年3月期の売上高は1824億円、純利益は26億円。

 創業家出身の藤尾益雄社長は、17年を「新たな創業」と位置付けている。コメの生産調整(減反)の廃止を控え、コメ業界は乱世に突入したからだ。

 青果や水産物を含めて、川上から川下までの食のバリューチェーン構築に向け、外食・中食事業を強化中だ。15年6月、回転ずしの元気寿司を子会社に組み入れた。40.52%の株式を保有する筆頭株主となり、藤尾氏が元気寿司の会長に就いた。

 回転ずしの次に目をつけたのは、居酒屋だ。16年2月、居酒屋大手ワタミが保有する自己株式の一部を14億円で取得した。神明の出資比率は4.19%で、第5位の株主となった。

 また15年12月、サバ料理専門店を展開する「鯖や」に10%出資し、東京・台東区で鯖やのフランチャイズ店を始めた。

 さらに16年3月には、青果卸大手の東果大阪を買収した。東果大阪は大阪市中央卸売市場東部市場で集荷やせりに参加している。東果の買収をテコに、25年には青果事業全体で1000億円の売上げを目指す。その青果事業の強化の一環として、まいたけ、えんりぎ、ぶなしめじなどを生産する雪国まいたけを傘下に組み入れることにしたのだ。

BusinessJournal編集部

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