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すぎもと たかよし「サラリーマン自動車ライターのクルマ業界ナナメ斬り!」
トヨタ「プリウス」に三菱「デリカD:5」…残念な“顔”のクルマ増加の深刻な理由

もちろん、デザインには「意図」や「狙い」が必須だ。けれども、それは滔々(とうとう)と説明できるから優れている、ということじゃない。
たとえば、ダイハツ・ブーンのデザインテーマ(モチーフ)は「六角形」で、実際に内外装の随所に六角形が施されている。担当デザイナー氏もそれを嬉々として語り、その説明に破綻はない。ところが、ブーンのスタイルと来たら……という具合。
けれども、だ。多くの自動車メディアでは「今度の三菱アウトランダーはダイナミック・シールドが採用されているので、実にスタイリッシュ」なんてことが平気で書かれている始末。まさに、言語のひとり歩き状態。
欧米ではデザイナーの転職はごく一般的で、各社間で才能の交流が進んでいる一方、基本終身雇用の国産メーカーはデザイン責任者も社内人事の都合で決まる。しかも、デザイン業務のインハウス化が進んで、外注もすっかり減った。そこで昇任した責任者がおかしな提案を――と僕は考えている。
1980~90年代の日本車が、メーカーの色を出しつつも個性に富んでいたといわれるのは、グッドデザインに対してニュートラルな姿勢があったからじゃないか? つまり、優秀なデザイナーが、より自由に力を発揮できていたと思えるのである。
(文=すぎもと たかよし/サラリーマン自動車ライター)
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UPDATE:17:30