陸上の実業団とトレーナー契約をし、選手にスポーツマッサージを行っている「エスティーム(S.TEEM)」。そのノウハウや高い技術力は一般の患者にも提供され、好評を得ている。かつては同じ陸上選手として活躍し、現在は鍼灸師として働く小原悠さんに、心構えや仕事の魅力、醍醐味などについて聞いた。
–どのような経緯で、現在のお仕事を始めたのですか?
小原 以前、実業団(株式会社しまむら)で長距離や1500M、駅伝などの陸上競技をしていて、そのときにお世話になっていたのがエスティームでした。当時は、普段のケアのためにマッサージや鍼治療を受けていまして、定期的に、週に2回くらい通っていました。 陸上を辞めてからは、地元・岩手で鍼灸・マッサージの専門学校に通いながら、コーチとして高校生に運動指導をしていました。その後、選手時代に関係があったエスティームで働きたいと思い、入社しました。
–鍼灸・マッサージの専門学校を卒業して、国家資格である「はり師・きゅう師(鍼灸師)」を取られたわけですね?
小原 最低3年通わないと国家試験自体を受ける権利は与えられません。
–エスティームの具体的な事業内容を教えてください。
小原 店舗は本店の芝浦と五反田、名古屋にあり、全体として、マッサージ師は15人程度在籍しています。店舗経営のほか、陸上の実業団と法人契約をしまして、専属のトレーナーとして試合や合宿に帯同したり、週に何回かは練習場に行ってケアをさせていただいています。
もうひとつの事業展開として、各企業様の福利厚生の一環として、空きスペースを利用したマッサージを行っています。お客様の7割は女性ですが、女性は男性に比べてデスクワークが長く、筋肉量が少なく凝りやすいですね。仕事の合間に無料でマッサージを受けられるということもあり、職場が活性化し、業績アップも図られるので、社員のみならず経営者の方にも好評をいただいております。
–入社後、どのような研修を受けられましたか?
小原 最終的には本人の感覚でやる仕事だと思うので、確立したプログラムというものは特にないですが、お客様に対してどのようにマッサージをすればいいのか、症状へのアプローチの仕方を学んだり、手技のトレーナーについて、実業団の合宿で選手がどういう練習をしていて、どう治療が必要かを学んだりします。