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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第13回

疑問だらけの日焼け止め、選び誤ると肌に大ダメージ? エステやコラーゲンのウソ

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ニベアサン プロテクトウォータージェル「花王 HP」より
 生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析。配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップします。

 「日焼け止め」と聞くと、塗ったら肌が白くなるし、キシキシする。塗らないといけないのは分かっているけど、肌には余計なものは塗りたくない……という人もいるでしょう。

 そして、いざ薬局や化粧品コーナーで選ぼうとすると、各社それぞれいろんな数値を売りにしているけど、SPFとかPAとか、どういう意味なのかわからない……。

 そういった疑問だらけな日焼け止めの世界。塗っておけば安心なのかもハッキリしませんね。

 今回は、そこのところをスッキリしていただくため、できるだけ分かりやすくまとめてみました。

●まずは紫外線を知っておこう

 紫外線には、UVA(A波)やUVB(B波)などの種類がある、という話は聞いたことがあると思います。しかし、一体どのような違いがあるのか? それをキッチリと答えられる人はあまりいません。

 紫外線は目に見えない光です。いわゆる電磁波の一種で……というのは以前、化学誌に書いたので、専門的な話を読みたい方は、こちらを参考にしていただくとして、今回は、「紫外線がどのように肌に影響するのか」「日焼け止めには何が入っていて、どう効くのか」という話を進めていこうと思います。ちなみに、先ほどの雑誌では日焼け止めクリームの自作方法も紹介してあるので、気になる方は是非ご一読ください。

 さて、手前味噌な宣伝はさておき、紫外線の波長などの話を抜きにして分かりやすく図にしたものが、今回のイラストになります。


 地球に届いている3種類の紫外線のうち、UVAとUVBという紫外線。イラストを見てもらえれば分かるように、気にしなくてはいけない波長はこの2つです。
 
 UVAは皮膚表面で熱に変わる紫外線で皮膚を赤くし、その後メラニン色素を増やして肌色を黒くします。そういった日焼けは時間がたてば治りやすいため、軽視されやすいですが、美容面ではUVAによるダメージは数年〜10年後に影響が出るといわれています。

 「明るい部屋が良い」とカーテンもないガラス張りの部屋で過ごしていては、やはり皮膚色は黒くなり、シミなどは増加します(とはいえ、遮光カーテンでガッチリにする必要もなく、あくまで間接光であれば気にするほどではありません)。

 UVBは波長の短さから、さらにもう少し奥まで進んで表皮の細胞のDNAにまで届いてしまいます。

 微量であれば問題ありませんが、紫外線はDNAを傷つけるため、多いと細胞が死んだり最悪な状態では“がん化”したり…ということはご存じの通り。美容の面ではDNAだけでなく、肌の弾力を構成しているコラーゲン組織やエラスチンをも切断するエネルギーを持つため、均一な再生の邪魔をして、凹凸を増やし、それが結果的に深いしわや、角化して潤いのない老人を思わせる肌となるわけです。

 これらの紫外線による美容への影響は非常にゆっくりで、日本の場合、夏場に受けた紫外線ダメージが、冬場の乾燥によって決定的なものへと、すなわち仮ダメージが確定ダメージに変わってゆき、それが年齢差を露骨に表す、肌の見た目につながるというカラクリに。

 特に25歳以降の肌は下る一方。その下り坂を食い止めるか、急降下させるかは、本人の努力次第となります。それくらい紫外線対策は、肌ケアにおいて重要なのです。