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なぜ頭の良い人は相手にマウントを取らないのか…対等な関係を築く交渉術

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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 欲しくもないものなのに、セールスを断り切れずに買ってしまう。相手に強気に出られると言いたいことを言えなくなってしまう。 頼まれると嫌と言えない。対人関係でどうしても相手より下に立ってしまうことに悩む人は多いし、誰しもがこんな経験を一つや二つは持っているはず。一方で、誰に対しても自分の意見を言えて、嫌なことは断り、かといって他人にマウントを取ったり誰かと衝突することがない人もいる。なぜこんなことが可能なのか。性格なのか、それとも能力なのか。

コミュニケーション上手は会話の始め方が違う

 『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(犬塚壮志著、サンクチュアリ出版)は、人より上にも下にも立たず、誰とでもフラットな関係を築ける人がやっていることについて明かす。こうしたことを策略的にやっている人もいれば、自然にできてしまう人もいる。ただ、人間関係構築に長けた人には共通してやっていることがあるのだ。

 たとえば新しい人間関係を作る時に、コミュニケーションが上手な人はまず初めに自分が受け入れられやすい空気を作ってしまう。これはどんな人間関係を作る上でも重要であり、特に交渉事では有利にはたらく。

 「イエスセット話法」というものがある。これは相手が絶対に「イエス」と言ってしまいそうな気軽な質問を数回行うというもの。こうすることで本当に言いたいことや、提案したいことに対して相手が「イエス」と言いやすい肯定的な空気ができる。

 「気軽な質問」については深く考える必要はない。飲み会であまり話したことがない人が隣になってしまったら「この唐揚げおいしいですね」でもいいし、顧客データの一元化ができるツールを営業したいのであれば、「データを探す時間って無駄じゃないですか?」でいい。どちらも、相手は「イエス」と答えるはずだ。

 同時に、自分から相手を「好き」だと言うことも有効だ。「好き」の表現は様々である。「ずっと前から憧れていたみなさまの前でお話しさせていただけるなんて本当に光栄です」というプレゼンの冒頭あいさつも「好き」の表現だし、新しい趣味のコミュニティに入る時のあいさつで「ずっと前からみなさんと交流させていただきたいと思っていたんです」と語るのも「好き」の表現である。その場に応じて「好き」を自分から発信していくのも、コミュニケーション上手のやり方なのである。

初対面の相手から信頼を得るには…

 いい人間関係の大前提が「信頼」である以上、どんな人間関係でもまず相手からの信頼を勝ち取る必要がある。たとえば、見ず知らずの人から何かを売りつけられようとしたとしたら、ほとんどの人は不信感を持つ。その人が利益を求めて自分に近づいてきていることがわかるからである。実はこれが相手の信頼を得るためのカギになる。信頼を得たいならば、これと逆をやればいいのだ。つまり、利益を求めていないことを相手にわからせるのである。

 たとえば、新しいプロジェクトの顔合わせで、リーダーから「自分はこのプロジェクトを成功させて出世したいからついてきてほしい」と言われても、メンバーたちはリーダーを信用しない。逆に「このプロジェクトは利益を度外視してでも社会のために成功させたい」と言われたならば、使命感を共有するメンバーもいるはずだ。

 ビジネスの人間関係であれば、これに加えて「専門性をアピールすること」「エネルギッシュに話すこと」も相手の信頼を得るために有効になる。

 本書は人間関係の取り結び方、深め方、相手の説得の仕方、話の聞き方を網羅的に扱っている。ここで紹介したのはあくまで人間関係のスタートの部分である。対人関係をここまで分解し、掘り下げた本は少ない。

 コミュニケーションに関する書籍は様々な書籍の中でも、内容の充実度は出色。常に近くに置いておいて、困ったときや大事な商談の前に開きたい一冊だ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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