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デサント、伊藤忠の“採算度外視”の敵対的TOBに敗北が濃厚…阻止は困難な状況に

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デサント(写真:アフロ)

 スポーツ用品大手デサントが筆頭株主の伊藤忠商事による株式の公開買い付け(TOB)に反対したことで大企業同士の敵対的TOBに発展した。

 敵対的TOBとは、買収対象企業の取締役会の同意を得ないまま一方的に不特定多数の株主から株式を買い集めることを指す。多くの場合は、経営権を支配するために行う。発行済総株式数の過半の取得を目指すが、一定程度買い増すために行われることもある。

 日本国内では、敵対的TOBは失敗に終わることが多い。根回しや人のつながりに重きを置き、資本の論理で動くことを良しとしない考えが産業界に根強くあるからだ。敵対的TOBは「乗っ取り」と見なされ、反感を買いやすい。伊藤忠は資本の論理を掲げて切り込んだが、勝算はあるのだろうか。

 敵対的TOBの歴史を振り返ってみよう。

ライブドアによるニッポン放送株の敵対的TOB

 2005年にライブドアが仕掛けたニッポン放送に対する敵対的TOBは、“劇場型M&A(合併・買収)”としてお茶の間を賑わした。ライブドア社長だった堀江貴文氏は、“ホリエモン”の愛称で一躍、スーパースターとなった。

 ラジオ局であるニッポン放送は、フジテレビジョンの株式の22.5%を保有する筆頭株主。ニッポン放送の企業規模はフジテレビより格段に小さいため、フジテレビ株を買うよりも少ない資金で株を集めることができる。ニッポン放送を支配すれば、フジテレビの22.5%の株式が自動的に手に入ることになる。その結果としてフジテレビの経営を左右できるわけで、「親子逆転」の資本関係の隙間を堀江氏は巧妙に衝いた。

 05年2月8日、ライブドアはニッポン放送株の35.0%を電撃的に取得した。堀江氏の狙いは、フジテレビの経営に関与することだった。この時から、ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株式の争奪戦が始まった。

 同年3月16日、ライブドアはニッポン放送株の過半数を押さえた。これで勝負があったかに見えた。ソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)社長の北尾吉孝氏がフジテレビの“白馬の騎士”として登場してくるまでは、堀江氏だけでなく世間もそう思った。

 だが、北尾氏はニッポン放送が持っていたフジテレビの株式を借り受け、一夜にしてフジの筆頭株主に躍り出た。堀江氏がニッポン放送を経営的に支配して本丸のフジに駆け上がるハシゴを登り切ったところで、北尾が立ちはだかったのだ。

 同年4月18日、フジテレビはライブドアが保有していたニッポン放送株をすべて買い取り、子会社にした。フジテレビはライブドアに“解決一時金”として1474億円を支払った。敵対的TOBには失敗したが、ニッポン放送買収劇の真の勝者はライブドアだったのかもしれない。

 堀江氏はあまりにも派手に立ち回ったため、エスタブリッシュメント層の怒りを買い、その後、塀の内側に墜ちた。ライブドアも解体され、この事件後、ベンチャー起業家は活力を失った。

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