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「お父さん素敵」で夫婦共に同じ求刑

籠池刑事裁判、間違った起訴事実で懲役7年求刑…検察が違法な司法取引か、主導者を逮捕せず

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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結審の翌日、日本外国特派員協会での記者会見

 10月30日に結審した元森友学園理事長・籠池泰典氏と妻・諄子氏の刑事裁判。唯一刑事裁判として残った籠池氏の刑事裁判の行方が注目されていた。論告で示された検察の求刑は、補助金適正化法の最高刑である懲役5年を超え、懲役7年。しかも会見などで「お父さん素敵」などと発言している諄子氏も同罪という驚くべきものであった。

 一方、検察は8月9日、森友問題をめぐり市民団体から出されていた財務省担当者の背任罪、改ざん、公用文書毀棄罪の訴えをすべて却下し、不起訴を決定していた。検察が2013年5月に一度は不起訴にしたものの、市民団体からの訴えを受けて検察審査会が開かれ、今年5月に不起訴不当の決定を行っていた。検察の再度の不起訴決定に、市民団体や大手新聞も、国会での真相解明と追及が不可欠と疑問の声を上げた。検察はこのように森友事件には、まったくやる気がない姿勢を見せながら、籠池氏の裁判では別件逮捕や300日勾留という極めて強権的な手法を展開している。

 しかし、当サイトで前回で報告したように、籠池夫妻逮捕の理由は国の「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」の補助金約5600万円を騙し取った等とするものである。この補助金は木を使うことを推奨して地球温暖化の抑制などを図るものだが、籠池夫妻がそのような補助金を詐取することは可能だったのであろうか。

 結審にあたっての検察の論告求刑や弁護側の弁論要旨から浮かび上がる事実経過を見ると、森友学園の補助金申請にあたって、実際に申請書を作成した設計事業者、キアラ建築(以下、キアラ)は大学教授の指導を仰いでいるが、受け取る補助金の算定額を間違っていたことがわかる。また、国交省の補助金申請事務を代行した「木を活かす建築推進協議会」から申請の訂正を求めるヒアリングを受け、実施設計の時期を書き換えているが、プロの設計事業者でも申請が難しい補助金の申請をめぐって、学校経営者である籠池氏が詐欺を働くことができたのかは疑問である。

 また、森友学園で籠池氏と同じ職務上の権限と役割を担っていたとして、妻の諄子氏にも7年の懲役刑を求刑している。夫が罪を犯せば妻も同罪だというのは、先進国はもちろん、今の世界にそのような野蛮な国はないだろう。

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