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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

消費増税、景気への悪影響が鮮明…GDPに表れない“消費引き締め”の実態、五輪効果も終焉

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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「Getty Images」より

 消費増税による景気への悪影響がジワジワと出始めている。内閣府は14日、12月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。この調査はいわゆる「街角景気」を調べるもので、景気に敏感なタクシー運転手や小売店など、全国各地の景気の動きを観察できる職業の約2000人を対象としている。国内総生産(GDP)などのハードデータより信頼性は低くなるが、調査が早くまとまるため、より早く実体経済の様子がつかめるとされている。

 今回内閣府が発表した調査結果によると、全国の12月の景気の現状判断DIは消費増税をした昨年10月から3カ月連続で増税前の40を割り込む低水準が続いている。横ばいを示す50を下回っている時点で、肌感覚からみて景気回復には程遠いということを示しているが、地域別にみると関東、近畿、九州以外はすべて40を下回っており、東京や大阪、福岡といった近年人口上昇が続いたり、地域の中核をなす大都市を抱える地方以外は苦戦を強いられていると感じる人が多いということだ。

 さらに、調査のためのインタビューの中身を子細に見てみると、興味深い内容が出ている。景気ウォッチャー<全体版>から、いくつかポイントを挙げてみよう。

 まず、ホテルの増設ラッシュや東京オリンピックでの建設需要の高まりが、必ずしも地方都市圏での景況感を押し上げているわけではないことがわかる。

「市内を中心に新規ホテルの増設ラッシュとなり、客室が余り始めている。その結果、軒並み客室単価が下がってきている。宴会も忘年会シーズンではあるが、小口の宴会を中心に予約状況が悪い。法人客からは、忘年会への参加を社員に無理強いできなくなったため、不参加者が多く、中止にするといった声も数件ある」(近畿=都市型ホテル)

「東京オリンピック後の新規建設を計画している建築主において、次年度着工の是非を判断する時期にあるが、人手不足などの影響で一向に建設単価が下がらないため、着工を先送 りするケースが目立ち始めた」(北海道=建設業)

「12月の動きだが、例年と比べて、運営する3ホテルは軒並み70%は超える稼働率で、悪いというところはない。ただし、80%を超えても良い月なので、年末に近くなって稼働 が苦戦しているため、若干悪い」(北関東=都市型ホテル)

「ホテルの過当競争が更に激化するとみており、土地があればホテルが建つ状況はホテル バブルを実感する。レストランも消費税の引上げの影響か、来客数、客単価共に減少しており、特に客単価は消費税の引上げ前より低い」(北陸=都市型ホテル)

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