“高い&遅い”の大戸屋を変える…コロナ禍下で買収を仕掛けたコロワイドの狙い、役員が激白の画像1
大戸屋の店舗(「Wikipedia」より/Asanagi)

 4月14日付け当サイト記事『コロワイド、大戸屋乗っ取り計画の全貌…大戸屋の全株主へ“食事券配布”作戦』は大きな反響を呼んだが、今回、コロワイドの役員がインタビューに応じた。コロワイドがなぜ、このコロナ騒ぎで先行きも見えないなかで、大戸屋を買収しようとしているのか、コロワイド取締役で経営管理本部本部長、大戸屋の取締役候補の一人でもある澄川浩太氏がその真相について語った。

――コロワイドの大戸屋買収の経緯について教えてください。

澄川浩太氏(以下、澄川) うちが株を取得したのが昨年の10月1日です。細かく申し上げますと、もともと三森さん(大戸屋創業者の長男で元取締役の三森智仁氏)と昨年夏ごろからお話をさせていただいていまして、お譲りいただけるということになったので、私のほうから三森さんに連絡をして、9月ごろには大戸屋さんと株取得の話をさせていただきました。

――そのとき業務提携や買収の話もされたわけですか。

澄川 協業をさせていただきたいという話をさせていただきました。その後、11月にはうちとしては自社の紹介を含めてシナジー効果をあげるためのご提案をさせていただきました。

――当時の提案書の中身というのは、今回の株主提案とほぼ同じものですか。

澄川 そうです。そこは一貫しています。

――これに対して会社側の対応はどうだったのでしょうか。

澄川 我々の想定をもとにご提案をしているのですが、それは勝手な妄想ではなく、過去の例、たとえば「かっぱ寿司」や「牛角」などをグループ化した際の経験などを踏まえて提案しています。これはもちろん会社によって違いますが、これまでの実績を基にし、金額を算定した上で、さらに大戸屋さんの事業規模などを踏まえて考えています。

 それに対する会社側の質問は「そんなにシナジー効果がでるんだったら、やりたい」という論調ではありませんでした。我々はすでに大戸屋さんの株を19%持っていますから、他人だとは思っていませんし、大戸屋の株が下がればうちの企業価値も下がるわけです。ただキッチンなどを実際に見ないと、どういう料理をされていて、どういうふうに原料が使われているのか、本当のところがわかりません。大戸屋さんからは「そういったことは最高機密なので教えられません」と言われました。こちらが提案はしていますが、前向きではない反応がすでにありました。

――前年度の業績があまりよくなかったことは事実でしょうが、彼らは自分たちで再建をしていきたいという考え方なんだと思いますが。

澄川 私どもは昨年の10月に株を取得し、11月の第2四半期の決算が出るまで会社側がどのような取り組みをするのか様子をみていました。2月の経営計画の骨子にも目を通しましたが、具体的な対策はありませんでした。第2四半期よりも第3四半期のほうが業績が悪化しています。これでは改善がおぼつかないと考え、11月後半以降は買収による経営再建に大きく舵を切りました。

――なぜM&Aという手法を取るのですか。

澄川 一緒にやれば効果をあげていくことはできると思いますが、同じグループとしてやるのか、他人の企業同士でやるのかでは密度も違います。我々はコロワイドグループという連邦経営のような会社で、こちらの子会社で利益が出ても他の子会社で利益が出なければ同じなんですよ。大戸屋さんを再建していくなかでシナジー効果で出た利益を、大戸屋さんに集中投下することは同じ連結グループならできますが、グループ外の企業だとそうはいきません。仮にシナジー効果が出てもうちもビジネスなので、「半分はうちにください」と言わざるを得ないのです。いずれにせよ、そういう悠長なモードではないということを大戸屋さん側には申し上げているわけです。

なぜ株主提案というかたちにしたのか

――しかし今年に入り、新型コロナウイルス問題などで外食産業などは特に大きな痛手を負っています。コロワイド自身も自社の店舗の経営支援に巨額の資金がかかりますから、戦略的にはこの時期に大戸屋を買収するのは得策ではないのではないですか。

澄川 確かに今は厳しい時期だとは思います。しかし我々はまだいろいろな堪え方があると思っています。固定費用の圧縮などももちろんしていますが、今はFC(フランチャイズ)が大変だと思うんです。数店舗、あるいは個人で一店舗やられているような方は、たくさんいらっしゃいます。大戸屋は国内店舗の350店舗のうち200店舗、約60%はFCで、これは中核店舗でもありますから、こうした店舗のオーナーさんたちが続けていけるような環境を用意していない大戸屋としては、会社自体の価値が下がっていくと思います。

――新型コロナ問題は、どのくらい続くとお考えなんでしょうか。私は少なくとも1年間ぐらいは外食業界にとって厳しい状況が続くと思います。だとすると、自分たちのリストラ資金や運転資金の確保が先決事項になってくると思いますが。

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