「いきなりステーキ」のペッパーフード、債務超過寸前で個人から20億円借金の異常状態の画像1
いきなり!ステーキの店舗(「Wikipedia」より)

いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービス(東証1部上場)は6月1日、個人から20億円を借り入れたと発表した。借入先は肉の供給元であるエスフーズの代表取締役社長、村上真之助氏。エスフーズの筆頭株主(25.2%を保有)でもある。

 ペッパーフードの筆頭株主は17.1%を保有する一瀬邦夫社長。エスフーズは11.6%を持ち第2位の大株主(19年12月期末時点)である。20億円の返済期日は7月末の予定。有担保・無保証だという。有担保とは、ペッパーフードもしくは新たに設立したJPの株式を担保として差し入れるということだろう。普通ならペッパーフードの株式が担保となる。一方、ペッパーフードは借り入れの保証をしていないということから無保証だ。借入金の返済が滞れば、エスフーズは担保に取った株式の名義を書き換えればいい。

 ペッパーフードは急速に出店を増やしていたが、店舗の売り上げ不振に新型コロナウイルスが追い打ちをかけ業績が悪化した。東証1部上場で、日銭が入る業態の企業が個人から借り入れをするというのは極めて異例。どの金融機関からも借り入れができなかったとみられ、それほど資金繰りに窮しているという証左である。

 6月1日には、ステーキ店「ペッパーランチ」事業を分社化し、新会社JPを設立した。JPは株主総会の承認がいらない「簡易新設分割」という手法で急遽、立ち上げた。JPの資本金は1000万円。ペッパーフードが100%株式を保有。本社は東京・墨田区のペッパーフードの本社内に置き、一瀬社長が代表に就いた。

 簡易新設分割は総資産の5分の1以下が分割され新会社がつくられた場合に適用される。株主総会の議決を得る必要はない。会社分割とは、会社を新旧の2つに分離し、旧勘定となる既存会社は特別清算する。新会社に出資者を募り、出直すというのが一般的に行われるやり方だ。

 ペッパーランチ事業の2019年12月期の売上高は87億8800万円。ペッパーフードからJPに分割する資産は15億3600万円、負債は3億5500万円となる。

 一瀬社長は、いきなりステーキの立て直しに全力投球している。旧会社のペッパーフードを清算することは考えにくい。関係者は「新会社のJPを売却して、再建資金に充てるのでないか」と見ている。

急成長のいきなりステーキが、いきなり失速

 一瀬氏は高校卒業後、レストランやホテルで経験を積み、1970年、レストラン「キッチンくに」を創業。1994年にペッパーランチ事業を始め、2004年には100店舗を達成、06年、東証マザーズに上場。17年、東証1部に指定替えとなった。

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