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会計士・川口宏之が財務からひも解く、あの企業の経営

ワークマン、高機能&低価格なのに“突出した高い利益率”の理由…ユニクロの約2倍

文=川口宏之/公認会計士
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ワークマンプラスの店舗(「Wikipedia」より)

ワークマン、高機能&低価格なのに“突出した高い利益率”の理由…ユニクロの約2倍の画像2 東証一部上場のレナウンや、米大手ブルックス・ブラザーズなど、アパレル業界の名門企業の経営破綻が相次いでいる。アパレル不況が叫ばれて久しいが、新型コロナウイルスが追い打ちをかけ、アパレル各社はかつてないほどの危機に瀕している。 

 しかし、そんななかでもひときわ異彩を放つのがワークマンだ。2020年3月期の業績は絶好調で、コロナの逆風にもかかわらず、今年4~6月の月次売上は前年同月比100%を上回る。そんなワークマンの強さを、財務数値をもとに紐解いてみたい。

実質無借金のキャッシュリッチ企業

 まず、過去5年間の業績の推移を見てみると、営業総収入(売上高に相当)も営業利益も右肩上がりで伸びている。直近では営業総収入が前年同期比37.8%増の923億円、営業利益も41.7%増の191億円と急上昇している。

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 一方、店舗数はどうかというと、増加しているものの、その伸びは緩やかだ。出店ペースが緩やかなのに売り上げが急増しているということは、既存店で着実に業績を伸ばしていることの証だ。

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 過剰な出店攻勢で売上を急拡大させ、その歪みで財務体質が悪化する会社もあるが、ワークマンはそうではない。安全性を表す自己資本比率は約80%と非常に高い。しかも、現預金452億円に対して、借入金は13億円しかない。実質無借金のキャッシュリッチ企業だ。

ワークマン、高機能&低価格なのに“突出した高い利益率”の理由…ユニクロの約2倍の画像5 ワークマンはもともと建設現場や工事現場の作業服専門店として40年前に誕生した会社だ。プロの職人向け店舗なので、長らく一般客には縁遠い存在だった。しかし、2018年9月から「ワークマンプラス」という一般客向け業態始めたのをきっかけに、一気にブレイクした。

 もともと職人向けなので、耐久性や機能性は高く、アウトドアやスポーツにも適している。しかもオシャレで値段も安いとあって、若者や女性など新たな顧客を呼び込むことに成功した。

 このような成長力もさることながら、特筆すべきは、営業利益率20.8%という非常に高い収益力だ。これは業界内でも極めて高い。現に、ユニクロを展開するファーストリテイリングの営業利益率は11.2%、ファッションセンターしまむらは4.4%しかない。

 ワークマンは、高機能な衣料品を低価格で販売しているので、一見、儲けが少ない薄利多売ビジネスかと思いきや、実はそうではなかったのである。

FC店を軸とする出店戦略

 大手アパレルをも凌ぐワークマンの高収益率の要因は、ワークマンの出店戦略にある。2020年3月末時点で全国に868店舗を出店しているが、そのうち96.1%がフランチャイズ(FC)店である。ちなみに、ユニクロはほとんどが直営店であり、しまむらに至ってはすべてが直営店だ。

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